8GBのRAM搭載で64ビット対応のRaspberry Pi 4が登場、標準OSも64ビット版がリリース

 

2020・05・29 https://gigazine.net/news/20200529-8gb-ram-raspberry-pi-4/

 


2019年に発売された「Raspberry Pi 4 Model B」に、長らくうわさされてきた「8GB RAM搭載モデル」が登場しました。

8GB Raspberry Pi 4 on sale now at $75 - Raspberry Pi
https://www.raspberrypi.org/blog/8gb-raspberry-pi-4-on-sale-now-at-75/

New Raspberry Pi 4 model comes with a ton of RAM: 8GB | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2020/05/new-raspberry-pi-4-model-comes-with-a-ton-of-ram-8gb/

2019年に発売されたRaspberry Pi 4 Model Bは、1.5GHz・4コア・64ビットのCPU「Arm Cortex-A72」をベースとしたSoC「BCM2711」を搭載し、USB 3.0やUSB Type Cなどに対応したシングルボードコンピュータです。Raspberry Pi 4 Model Bのスペックなどは、以下の記事で詳しく報じています。

新「Raspberry Pi 4」が4Kサポート&CPU高速化など大幅にスペックアップして登場 - GIGAZINE


そんなRaspberry Pi 4 Model Bについて、長い間待ち望まれてきたのが、「8GB RAM搭載モデル」。BCM2711の対応する最大メモリ容量16GBでしたが、2019年の発売当時は互換性のある8GB LPDDR4パッケージが存在しなかったため、RAMは1GB/2GB/4GBの3種類からしか選択できませんでした。しかし、Rasberry Pi公式ビギナーズガイドなどの中で「8GB RAM搭載モデル」がすでに発売されているかのごとく描かれるという遊び心もあって、「8GB RAM搭載モデル」に対する期待は高まっていました。

以下のRaspberry Pi 4 Model Bのユーザーガイドには、「Raspberry Pi 4 Model B 1GB,2GB,4GB + 8GB variants」と書かれており、まるで「8GB RAM搭載モデル」がすでに発売されているかのように思わせる仕掛けになっています。


そして2020年5月28日、ついに8GB RAMを搭載したRaspberry Pi 4 Model Bが現実のものとなりました。8GB RAM搭載モデルの価格は75ドル(約8100円)。同時に、2GB RAM搭載モデルの価格も45ドル(約4800円)から35ドル(約3800円)に値下げされました。


8GB RAMが搭載されている点以外は従来のRaspberry Pi 4 Model Bと同等ですが、必要な電力が増加したため、USB 2.0ソケットの横に位置していたスイッチモード電源をUSB-C 電源コネクタの横に設置されており、基板上の配置がわずかに変更されています。


従来の標準OS「Raspbian」は32ビットOSとしてビルドされており、この8GBメモリ搭載のRaspberry Piでも使用可能。ただし、32ビット版の制限によって単一プロセスで最大3GBまでしかメモリを使うことができません。そのため、8GBメモリを余すところなく利用するためには、UbuntuGentoo Linuxなどの64ビット版を使う必要があります。

そこで、標準OSのRaspbianは「Raspberry Pi OS」と名前を改め、32ビット版だけではなく64ビット版もリリースされることとなりました。なお、64ビット版Raspberry Pi OSの初期ベータ版は以下のページからダウンロード可能です。

Raspberry Pi OS (64 bit) beta test version - Raspberry Pi Forums
https://www.raspberrypi.org/forums/viewtopic.php?f=117&t=275370

 

Raspberry Pi OS(64ビット)ベータテスト版

    引用

Thu May 28, 2020 6:29 am
Raspberry Pi OS(64ビット)のベータテストです。

我々はまだすべてのPisのために32ビットのオペレーティングシステムをお勧めしますが、現時点では, それは今、64ビットOSへの移行を開始する時が来たことを決定した. 現時点では、これは 'ベータ'プログラムであり、OSは重い流動性であり、その機能は、今後数ヶ月の間に大幅に変更される可能性があります。

注意してください, 64ビットOSは、唯一のPi 3とPi 4デバイス上でインストール可能です。

ダウンロードはこちら

 

このImageをダウンロードして、Raspberry Pi イメージャーツールを使ってSDカードに書き込んでください。

既知の問題
1) VLCやChromiumにはハードウェアビデオアクセラレーションがありません。
2) libraspberrypi0, libraspberrypi-dev, libraspberrypi-doc は /opt/vc/* から /usr/* に移動されました (より標準的なものになります)。これらのライブラリを使ってビルドされたコードは、より標準的な場所 (/opt/vc/lib ではなく /usr/lib/) を参照するように変更する必要があります。
3) raspberrypi-bootloader と raspberrypi-kernel は役に立たない 64bit 以外のバイナリを含んでおり、ファイルが削除されて /boot にインストールされるまでの遅延を最小化するための作業を欠いています。

64bitイメージの問題

新しい問題が見つかった/修正された場合は、この投稿を更新していきます。

このOSで発見された、32bit OSとは異なる問題については、以下を使って問題をハイライトしてください。
https://github.com/raspberrypi/Raspberr ... bit/issues
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ゴードン・ホリングワース博士
Raspberry Pi - ソフトウェアエンジニアリングのディレクター


Raspberry Piの正規代理店であるKSYの公式ページでは、「Raspberry Pi 4 Model B/8GB OKdo」が税込価格9020円、OS書込済のSDカード・3Aの電源・ケース・HDMIケーブル・大型ヒートシンク・スイッチケーブルがセットになった「Pi4 B 8GB スターター キット V1 32GB 透明」が1万3640円、ヒートシンク・スイッチケーブルがセットになった「Pi4 B 8GB ベース キット V1」が税込価格1万175円で販売されています。

Raspberry Pi 4 Model B /8GB 発売のご案内 - Raspberry Pi Shop by KSY
https://raspberry-pi.ksyic.com/news/page/nwp.id/95

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Raspberry Pi 4」に8GBメモリー版、64-bit OSのベータ提供スタート

 

2020/05/29 https://news.mynavi.jp/article/20200529-1045119/

 

The Raspberry Pi Foundationは5月28日 (現地時間)、「Raspberry Pi 4 Model B」に8GB RAMを搭載した新モデルを追加した。価格は75ドル、同日より同社製品の取扱店で販売が始まった。また、45ドルで販売していた2GB RAM搭載モデルを、従来の1GB RAMモデルと同じ35ドルに値下げ。Raspberry Pi 4は、2GB (35ドル)、4GB (55ドル)、8GB (75ドル)というラインナップになった。

昨年6月に登場したRaspberry Pi 4は、今日のPCユーザーのニーズを満たすように「Raspberry Pi 3 Model B+」を強化、より高速なCPU (Broadcom BCM2711)、4K出力対応のmicroHDMIポート、USB 3.0ポートを備え、Bluetooth 5.0に対応する。

 

 

8GB RAMはRaspberry Pi 4の特徴をさらに強めるものであり、「大きなソフトウェアをコンパイルまたはリンクしたり、負荷のかかるサーバー・ワークロードを実行、またはもっと多くのブラウザのタブを一度に開きたい、そうしたパワーユーザーのためのRaspberry Pi」としている。メモリー以外の基本スペックは従来のRaspberry Pi 4と同じで、8GB RAMをサポートするために電源関連の部品が強化されている。

8GB RAMモデルと共に、Raspberry Piは公式OSの64-bit版の初期ベータをリリースした。32-bit LPAEカーネルと32-bitユーザーランドを用いている32-bit版OSでも、複数のプロセスで8GBメモリーの全てを利用できる。シングルプロセスで使えるのは3GBまでになるが、その制限の影響を受ける利用ケースは少ない。しかしながら、パワーユーザーがシングルプロセスでも8GB RAMをフル活用できるように64-bit版OSの提供を開始した。

そして5月27日リリースのOSイメージから、公式OSの名称を「Raspbian」から「Raspberry Pi OS」に変更した。一般の人達にもRaspberry Piユーザーが広がっており、Raspberry Piに初めて触れる人達でもすぐに公式OSと認識できる名前を採用した。