Twitter マーケティング 消費者との絆が深まるつぶやきのルール/山崎 富美

¥1,575
Amazon.co.jp
企業のマーケティング担当などで、Twitterをビジネスに活かしたい人にとっては、非常に適書であると思う。
現在twitterである程度の成功を収めている企業の担当者へのインタビューや、twitter導入の際に気をつけなければならないポイント、ビジネスにおいて活用できるtwitterツールなど、非常に具体的に書かれている。
また、単なるHow to集に終わるのではなく、業種別や、用途別での活用状況などの分析も言及されている所は非常に評価に値する。
非常に印象的であったのが、アメリカの航空会社における2つの成功と失敗が大きく分かれた事例だ。twitterの登場によって、企業にとっての新しいリスクが生まれ、そのリスクマネジメント手法が問われる時代になったことを表している。
【成功事例:サウスウェスト航空】
サウスウェスト航空は、緊急着陸というトラブルが発生した時に、着陸すると同時に乗客たちがツイッターに事件の一部始終を書き込んだり、twitopicやyoutubeなどに機内の様子を捉えた写真や動画をアップしはじめた。一歩間違えれば、航空会社の信頼を揺るがしかねない危機的な事態であったが、すぐに2万9000人のフォロワーに企業プレスリリースへのリンクを送り、すべての乗客の運賃を返金することなどを伝え、即座に「火消し」に成功した。
【失敗事例:デルタ航空】
デルタ航空は、著名なクリエイティブディレクターのアンディ・アズラ氏がデルタ航空の飛行機遅延の影響で13時間待たされ、ミーティングや家族団欒の時間を奪われたのにも関わらず、埋め合わせもなかったというメールをデルタ航空に送り、それをブログに掲載し、さらにツイッターからもリンクを張った。そのツイートは何回もリツイートされ、人々のデルタ航空に対する不満なども加わり炎上した。デルタはこの件に関して、一切返事をしなかったという。
上記事例のように、Twitterは、人々の企業に対する不満が表に出やすく、さらにRTなどで拡散しやすいものであると言える。そのため、人々のtweetに気を配り、迅速な対応が求められる。
最近では、とある大学の、大きなダンスサークルのtwitterの活用の失敗によって大きな炎上を生む事件が起こった。事件の概要としては、そのダンスサークルが、学園祭に出場するための手続きを怠り、その学園祭に出場でれなくなってしまった。
問題になったのはその後の行動、そのダンスサークルの学園祭への出場を求めて、サークルのOBがtwitter上で署名運動を始めたのだ。
その結果、「なぜ登録手続きを怠ったのにも関わらず署名運動をするのだ」などの意見や、そもそものサークル自体への運営に対する批判(暴行疑惑や、学園祭でのポスターを剥がして、そのサークルが上から張っている疑惑)などが重なって、twitter上で大きな炎上となってしまった。
twitterを活用することによって、1億円の売上げをあげたDELLのように、大きな成果をあげることができるかもしれないが、逆に新たに発生するリスクも考えなければならないことを、このダンスサークルの事例や、デルタの事例が表している。