Virtual Panic-19 | Paranoia Cafe

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いらっしゃいませ・・・


コンコン…コンコン…。


『雄太くん…開けて…』


まさか…。
もしかして…。

かおりちゃん!?。
かおりちゃんだ!間違いない!。


調度よかったし、とにもかくにも嬉しかった!。


明日帰るなんて言って、僕にサプライズしてくれたんだな?。


コンコン…コンコン…。


『雄太くん…早く開けて』

「ああっ!ちょっと待ってね!すぐに開けるから!」


ガチャ…。


「いやぁ~びっくりしたよ!でもうれ………」


えっ?。
キミ…かおりちゃん…だよね?。


彼女の目。
ガラス玉のようだった。


生気を失ったような…無機質で…。
あの可愛い笑顔のみじんも感じられなかった。


「あの…かお…」


彼女はスウッと僕の横を擦り抜け、部屋の中へと入って行った。

そして部屋の中をゆっくり見渡してた。


「ただいま…」


そう言って、口だけ笑ってた。


ただいま?。


そういえば、彼女は僕の部屋を知らないんだ!。
でもなぜかおり?ちゃんはここにいるんだ?。


それじゃ…こいつは誰だ!?。

こいつはかおりちゃんではなく別の…。


「かおりちゃん…ただいまじゃないよ…ここは…」
「ううん…ここは私のおうち…ずっと雄太くんと一緒にいたんだから…」


な…何を言ってるんだ?。


「すっかり変わっちゃったね…前は仲間がたくさんいたのに…」


コイツの言ってることがますますわからなくなってきた。


僕は思い切って聞いてみた。


「キミは『かおりちゃん』だよね?」
「………」
「ねえ…答えてくれよ!キミは『かおりちゃん』だよな!?」


クゥ~っと首を回し、僕の方を見て、ニヤリと笑った。


「『かおり』じゃないよ…『メイファ』だよ…」
「エ?」


『奴』は糸に釣られた人形みたいに、スゥーっと立ち上がって、僕のところにやって来た。


「私…メイファだよ!夢…叶ったね…」


僕は今、何の話しを聞いているんだろう?そんな気分だった。


「どうしたの?メイファ…人間になったんだよ…うれしい?」
「お…お前…何を言ってんだ!メイファなんているわけ…ないだろ!」
「ここにいるよ…私はメイファだもん…雄太とずっと一緒…」
「ううう…うるさい!かおりちゃんをどうした!彼女に何をしたんだ!?」


『奴』は表情を変えずに言った。


「かおりと、取りかえっこしたの…」


なんだって!?。


「だって…かおりもメイファも雄太と一緒にいたいって…おんなじだったから…」


そう言って、僕に抱き着いてきた。


「うれしいナ…こうやって雄太に触れる事ができた…」
「やめろ!」


僕は『奴』を引き離した!。


クリクリとした大きな瞳を見開き、『なにがあったの?』って顔になった。


「雄太言ったよ…メイファと一緒にいられたらって…」
「なに言ってんだ!?僕はかおりちゃんが好きなんだ!」
「それじゃ…メイファの事は?」
「大っ嫌いだ!かおりちゃんを元に戻せっ!」
「ウソつき…」


『奴』の顔がだんだん険しくなってきた!。
風も吹いていないのに、ワサワサと髪の毛が逆立って、ものすごい形相に変わっていった。


「ウソつき…好きって言った…好きって言ってたくせに…」
「お前はかおりちゃんでもメイファでもないっ!ただの『化け物』だ!」
「違うっ!私はメイファ!メイファなのぉーーー!」


うわっ!。
グゥゥ…!。


『奴』が『からくり人形』みたいに動いた!。
そして、僕の首を掴んだ!。


「が…ぐぐ…やめ゛ろ゛…」
「ウソつき…許さない…友達みたいに…してやる…」


「友゛達…?つ…月星…氏…」
「アイツ…メイファを別のおうちに連れて行こうとした…」


マジかよ…。
な…なんで…?。


『奴』の指が僕の首に、グイグイと食い込んでいった。


「ぐぐ…だれ…か…だ…ずげ…で…」


僕の目の前…。
景色が歪んで…次第に…真っ白になっていった…。