Lonely Butterfly-17 | Paranoia Cafe

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いらっしゃいませ・・・


おぼつかない足取りで私はKYOのスタジオに行った。

散々私をバカにした事を後悔させてやる!。

記憶を頼りにKYOのスタジオを目指した。


「フンッ…ここだ…」


地下に下りて行った。


あの時と?同じ?。
バカでかいドアを開けた。

door

ギギ…ギギギギ…。


重い…というより硬い…。

いや…鉄の部分が赤錆でボロボロだった。


ギギギ…バギバギ…。


「なによコレ…こんなだったっけ?」


やっと中に入れた。


カビ臭くて、湿っぽい…。

間違ってないはず…なのに…。


「KYO!いるんでしょ!?出て来なさいよ!麻奈美ちゃんが遊びに来てあげたわよぉ~アハハ!」


薄暗い部屋の真ん中辺りに人の気配を感じた。


「KYOさんでしょ?麻奈美よ!ま・な・み…」


椅子に座っているのかしら?。
ピクリともしない。


暗闇に視界が馴れてきた。
やっぱりいる。


「KYOさん!また私を綺麗にしなさい!」


椅子を掴んで廻した!。


「はっ!」


女装した…KYOさん?…いや…マネキンだった。


「え?なにこれ?ここどこ?でも…間違いじゃないのに…」


場所も微かに感じる雰囲気も、あの時と同じなのに…。


「どうしちゃったの?私…飲み過ぎた?」


コトーン…。
dool
「ひっ!」


マネキンの頭が落ちた。


「なによ…脅かさないでよ…」


パシッ!。
frash
光った!。


パシッ!。
frash
まただ!。


入り口の方向…。
誰かがいた。


「誰?」


ピッ!ピピッ!。
keikoutou

部屋の蛍光灯が光り、部屋に明かりがついた!。


「え…なにこれ?」


打ちっぱなしのコンクリート…。
空き瓶やゴミが散乱して…。

何年も使っていないようだった。


「なに?ここ…数日前は…こんなんじゃなかったはずなのに…しかもなんで明かりがつくの?」


何がなんだか分からなくなってた。


「よっ!…よう来たな…」


KYOさんが私にカメラを向けていた。

不適な笑みを浮かべて、私に近寄って来た。


「よく来たわね…しかしこれなに?」
「知らんわ…」
「ねぇ…また『綺麗になるおまじない』してよ…」
「あんた…まだ分からんか…?」


KYOさんの目は鋭かった。


「分かる?何が分かるのよ?早く私をあの時みたいに綺麗にしなさい!」


そして…KYOさんは懐から、二枚の写真を出した。


「どっちがいい女や?」


一枚は私が綺麗になった写真…もう一枚は…過去の…。
そう…あの時私が『草原』をイメージした時の写真だった。


「麻奈美…あんた…約束…覚えとるか?」
「はあ?」
「あん時の約束や…」
「知らないわ…なに?」


KYOさんは深い溜め息をついた。


「あんたの中身はどこに行った?」
「中身ぃ~?あんな弱い心なんて捨てちゃったわよ!バカバカしい!」
「アホやな…あんた…」
「当たり前じゃない!」


そしてさっき撮った写真…。


「ポラロイド?バカにしないでよ!もっとちゃんと撮ってくれる?もっと綺麗に…」
「あんた…それで十分や…」


いちいちムカつく…。


「欲をかくとロクな事ないで…目を覚ませ…自分を取り戻さんか!」
「目なんかとっくに覚めてるわよっ!綺麗になった方がいいに決まってるじゃない!」
「………そうか」
「え……?」


KYOさんの顔が淋しげな表情になった。


「勿体ないのぉ…」
「な…なにがよ…?」
「もうええわ…」


そう言って写真を差し出した。


「記念にやるわ…」
「いらないわよ!こんなの!あんたが好きにすればいいじゃない!」


カチッ。
「ふーっ」


煙草に火をつけ、深く息を吸い込んだ。


「いらんのか?」
「あんたにあげるわ!そんなもん!」
「ほぉか…なら…好きにするで…」


そう言って、写真の下にライターの火を持ってきた。


ジリジリ…。


紅い炎がメラメラと写真を覆っていった。


「じゃあな…さいなら…」


KYOさんは部屋を出て行った。