いつも 彼は そこに座っている。木製の大きな 椅子に腰掛けて。 白い 壁に囲まれた 四角い箱の 真ん中で 壁に埋め込まれた 水槽を ずっと 眺めている。
水槽を 照らす 蒼いライトが 四角い箱を 水槽その物に 変えて行く。
貴方は時折
頬づえをついて 溜め息をもらす。深く深く。
貴方は 何を思い そんな 虚ろな目をするの?
私は ここに居るのに …。ずっと ずっと貴方の側に。お願いだから 悲しまないで。
私は 大気となって 貴方を守るわ。
ずっと 永遠に。
蒼い水槽の 中の 貴方。
一緒に 魚になって この空間を 泳ぎましょう…。遠い昔に そうしたように。
私はここよ。いつも 貴方を包んでいて あげる。
感じて いつか そうしたように。
今はもう 触れる事の出来ない 貴方の 唇に そっとキスをしてあげる。
私はここよ。いつも いつまでも 貴方と共に…。