男性は、女性の身体のことを、理解しなければならない。
特に、
月経前症候群に関して、である。
女性の約８０％以上の方は、
月経前になると、「イライラする」「気分が沈んでしまう」「からだの具合が悪くなる」というような症状を、 経験している。
このような、排卵から月経開始までの時期に現れる身体的・精神的不快な症状を総じて、月経前症候群（ＰＭＳ）と言う。
ＰＭＳの症状は、人によって実に様々である。
「胸が張ってくる」「下腹部に痛みを感じる」といった身体的なもの、 あるいは、「怒りっぽくなる」「理由もなく悲しくなる」というような精神的なものなど、例をあげればキリがない。
ＰＭＳは、排卵のある（妊娠が可能な）女性であれば、誰にでも起こり得る症状であり、 決して、特別なものではない。むしろ、女性として健康である証でもある。
しかしながら、ＰＭＳは、月経の周期ごとに反復して現れるので、女性にとっては、非常にわずらわしいものでもある。
また、症状の度合いも個人差が激しく、症状が現れても、それほど気にならない程度の人もいれば、 逆に日常生活でさえも困難になってしまう人もいる。
海外では、30年以上も前からＰＭＳの研究が進められており、 専門的な治療や改善方法などを相談できる医師、病院、ＰＭＳセンターなどが存在しているが、 日本国内でＰＭＳという言葉が一般に知られるようになったのは、ここ数年のことであり、海外のそれと比べて、 社会的認知度は低いと言える。
そのため、症状を自覚していながら、それがＰＭＳのせいだと気付かず、独り悩む女性も少なくない、 周囲の方も、そのような女性を前にし、当惑することもあるだろう。
特に、月経のない男性にしてみれば、ＰＭＳを理解することは非常に難しいかも知れない。
普段はおとなしい女性が、ある日突然豹変する姿を見て、 「情緒不安定」や「気まぐれな性質」として片付けてしまったとする男性もいるであろう。
どうして、女性の感情の起伏が男性に比べると激しいのか、少し理解できたであろう。
女性のことを想いやれる男性が増えることを願っている。
人はやはり、もちつもたれつであり、
男性は、女性の身体を守っていく立場にある、ということが、少しでも理解できれば、幸いである。
Atsushi Ohata