暗号資産イーサリアム(ETH)の大型アップグレード「The Merge(マージ)」の実装およびPoWフォークに向けて各暗号資産交換所が対応方針を表明しています。

イーサリアムのアップグレード時期が近づき、コミュニティの議論も徐々に活発化し、2つのシナリオが想定されています。1つはアップグレード後、現在の演算能力は他のブロックチェーンネットワークの支援に回るというもの。もう1つはハードフォークを行ってフォーク後もPoWのコンセンサスアルゴリズムを使い続けるとするものです。後者では、PoSとなるイーサリアムのブロックチェーンとPoWとなるイーサリアムのチェーンが生まれることになります。

仮にハードフォークが実行されると、フォークトークンが発行されます。実際に一部の大手マイナーがマージ後もPoWチェーンを採掘し続けるとしていて、ハードフォークさせる見通しは高まりつつあるようです。これにより、従来のETHだったシンボルは、ETHSを新しいPoSチェーンのトークン名称に、ETHWをPoWチェーンのトークン名称とする動きも広がっています。

大手暗号資産交換所バイナンスはマージに対応し、新しいフォークトークンが発生した場合は配布と出金に関するサポートを行う予定ですが、新規トークンを取り扱う保証はないといいます。今後、詳細な情報や最新情報を開示するもようです。バイナンスのほか、OKXはフォークトークンの取扱いについて需要があれば上場を検討するといいます。

FTXもマージに対応して「ETH」というティッカーシンボルはPoSのイーサリアムに充てるといいます。ハードフォークによる新規トークンの発行は、配布と取扱に関する対応を評価する予定としていますが、実際の配布はプロジェクトが完成した後に実施されるようです。フォーク版ETHの取扱については進展を踏まえた上で評価します。コインベースはハードフォークの対応については表明してません。一方、BitMEXやPoloniexは既にイーサリアムのPoW関連の取引を提供しています。

国内では、フォビジャパンがマージ対応を表明。アップグレードが成功し、フォークが対応した場合、アップグレード前のETHのスナップショットを取得し、ハードフォークが成功した際にはETHは1:1の割合でETHSに自動的に変換されるようです。この際、ETHという名称は削除される可能性があるということです。仮に、フォークが対応されない場合はETHを使用し続けるようです。なお、「ETHWの取扱い開始のためには、日本暗号資産取引業協会(JVCEA)の承認が必須となり、承認が得られない場合は付与などの対応ができない可能性がある」と説明しています。

今月テストネットGoerliでのマージ実装が完了したことで、9月頃に予定されたメインネットでのThe Merge実装が行われる可能性があります。The Mergeの実装により、開発者及び投資家はイーサリアムネットワークのエネルギー効率と利用コストが大幅に向上することを期待していて、暗号資産市場では最大の注目が集まっています。

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