「夜遅く」が求められる日経先物の取引時間延長 | Money-Cruiser

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今が踊り場・・・株式投資を中心にFX、N225先物やクレカとかマイルなどもバンバンやっていきます O(^-^)O

「世の中銭や」

先日、大阪証券取引所(大証)が、主力の先物商品「日経225先物」などデリバティブ(金融派生商品)の取引時間を数時間延長する方向で検討していると報じました。日経225先物とは、日経平均株価を対象とした先物取引のことで、投資家は日経平均株価の値動きから利益を得ることができる投資商品です。日経225先物は、個別銘柄に投資をする株取引に比べれば、普及度は低い商品ですが、取引量は拡大傾向にあります。短期の値動きを狙う国内外の機関投資家や、下げ相場でも収益機会が生まれる点に注目した個人投資家が、活発に取引をしているようです。

現在、大証による日経225先物の取引時間は、午前9時から午後3時10分までです。ところが海外市場の1つであるシンガポール取引所では、日経225先物の取引は、日本時間の午前8時45分から午後3時30分までと、午後4時30分から午後8時までの2つの時間帯で可能となっています。そこで大証は、シンガポール取引所と同じように、現状の取引時間(午前9時から午後3時10分)だけでなく、午後4時から午後8時までの時間帯でも、日経225先物の取引を可能にすることを検討しているようです。大証が夕方から夜にかけての取引を可能にすることで、シンガポール取引所に流れている機関投資家の取引を取り込めるほか、昼間は仕事をしている個人投資家の取引を促すことができ、大証の収益も拡大することが期待される、と報道されています。

大証が夕方から夜にかけての取引時間を追加することで、現在シンガポール取引所で日経225先物を取引する機関投資家の一部は、シンガポールから大証に取引を移す可能性はあるでしょう。しかし、報道されているように、仮に大証が日経225先物の取引時間として、午後4時から午後8時を追加したとしても、日本の個人投資家の利用が大きく拡大するとは思えません。日本経済のサービス化が進展していることもあり、勤労者が仕事を終える時間帯は、以前に比べれば遅くなっています。NHK放送文化研究所の国民生活時間調査によると、午後7時に仕事をする方の割合は、1995年には19%でしたが、2005年には24%まで上昇しています。仮に日経225先物の取引が午後8時まで可能だったとしても、自宅で取引できない勤労者は、決して少なくないことになります。

ここ数年、外国為替証拠金取引、いわゆるFX投資の人気が高まっているのも、夜に取引ができる、というメリットがあるためとの指摘があります。株式市場と異なり、為替市場は世界各国で取引がされるため、平日であれば24時間いつでも取引が可能です。特に為替取引の場合、取引量が最も増えるNY市場の取引は、時差の関係で日本時間の午後9時から午前3時が最も活発となるため、たとえ夜遅くに帰宅しても、勤労者は不自由なく夜にFX投資をすることが可能となっています。仮に大証が、個人投資家にも日経225先物の取引を促したいのであれば、午後8時までではなく、午後11時くらいまでは、取引を可能にすることが有効と思われます。。。