「だって少女時代を見てごらんよ〜。あんなヒールで踊っているんだよ〜(むふふ)」


当時から普段スケッチャーズを履いて走り回る私には、舞台で高いヒールを履いて激しいサルサステップを踏み続けなければならない事に少し苦痛を感じていました。

それを漏らした私には目もくれず『ん〜ふふ。』と鼻の下を伸ばし、スタジオの白い壁の斜め上辺に目をやりながら、ある中年男性は上記のセリフを私に言い放ちました。


それは私が音楽活動をしていた際、当時の師匠がキューバダンスの教育担当としてつけた日本人のラテンアメリカ研究科の男性でした。


私の当時の師匠は、大学の非常勤講師も任されている彼のラテンの知識と情熱に絶大な信頼を置いていました。


しかし実は当時、彼が密かに夢中になっていたのはラテン文化やラテン女性ではなく韓流アイドルの《少女時代》だったのです。


それを私の師匠は知るよしもありませんでした。



今、そんな高いヒールで頑張り続ける少女時代に纏わる、穏やかではない話題があがっています。


昨今15周年を迎えた少女時代のPVで使ったロゴマークが「日本の東京ディズニーシーの15周年のロゴマークのコピーではないか?」という疑惑があがっているのです。その後、担当した監督は『これは盗作だった』と事実を認めました。


その後も、次々と韓流アイドルにまつわる制作陣の盗作疑惑が出ています。


挫くも前回このブログにて『盗作』について取り上げたばかりで、またこの類の話題を取り上げるのはどうかとも考えましたが


『なぜ今、次々と盗作疑惑が報じられるのか??』


と不思議に思い私なりに考えてみたくなりました。


この問題について考えるためのヒントとして、ある日本人Youtuberがライブにて、この話題を視聴者と意見交換をしていたのを拝見しました。日本人サイドのみの意見になってしまうので、仕方ないのかもしれませんが、悲しい事にその意見の多くが『 韓国はいつもパクるのだ!』という類のものでした。


しかし私はその意見は大きく違うのではないかと異論を持っています。


誤解が生まれないように記しますが、私は決して盗作を容認したいわけではありません。


しかし今でこそ、インターネットの普及もあり世界中のエンターテイメントが簡単に楽しめるようになりましたが、一昔前までどの国でも、エンタメ業界始め、お互いにいろんな事をパクりあっていたのではないでしょうか?? 


特に同じアジア圏どうしなら、価値観も似ているのだから不思議はありませんし、そう考えると『どこかの国がいつも』と名指しして言えることではないと思うのです。


もっと言ってしまえば、昨今でも韓国事務所との繋がりが見えない(表側でしか私には分かりませんが)日本の最近のボーイズアイドルの一部に韓流アイドルを模したようなグループを多数見かけます。



韓国のエンタメ業界はK-POPをはじめ、己の文化を大事にしつつ、厳しい努力を続け、世界に登りつめたのは皆が認める事実です。韓国が作り出すものの魅力はオリジナルのまま世界に通用しているものが、確かに沢山存在しているはずなのです。



蛇足ですが、私自身も韓国のあるキャラクターのコレクターの一人で、その個性的で、例えば《世界のディズニーとは一味違う魅力》を語るのには自信があります。



しかし…まだ痒いところに手が届かないような...腑に落ちない疑問が残ります。


それはこのインターネットが普及し、人々が24時間自由に世界と情報を共有している時代に、このように大胆な盗作疑惑が続けられている点です。


私にはそれにはのっぴきならない理由があるような気がするのです。


前文にも記しましたが、韓国のエンタメ業界は世界に登りつめました。


『だからこそ』制作陣に重い負荷がかかっていると考えられないでしょうか?


特にK-POPにおいて『さぁBTSに続け!!』と常に《新しく質の高い物を発信しなければならない》という目に見えない重圧を韓国の制作陣が感じているのではないでしょうか??


国境など関係なく、どんな優れたアーティストでも毎度毎度、高レベルで新鮮な作品を生み出すことは不可能だと思うのです。


優れたアーティストが周囲からの期待や見えない重圧に耐えられず、薬物乱用など社会的に足を踏み外すような事は度々見られるように、才能が大きく開花すればするほど、後の周囲の期待が大きくなります。周囲をまきこめばまきこむほどに…その上に金銭が絡めばなおさらです。


問題は、次々と何か《名作》を生み出さなければならない重圧に今の韓国のエンタメ業界が苦しんでいる結果とは考えられないでしょうか??


話が個人レベルにそれてしまいますが、そう考えるとユ・ヒヨル氏の作品の類似もそのような苦しみから生まれてしまったのでは??とさえ思うのです。


私が考えているような《盗作を生み出さなければならない状況を作っている韓国エンタメ業界》がもしあるのだとしたら、それが問題だと思うのです。


あくまで私の仮定に過ぎませんが、韓国のエンタメ業界の掴んだ栄光は、もしかすると今、一部の製作者陣の首を締めている部分があるのかもしれません。


最近韓国のヒットチャートではバラエティ番組の企画で制作されたグループ、MSGワナビーや、WSGワナビーなどが歌う楽曲が長い間チャートの上位を占めることも目立っています。

私には、それさえ韓国エンタメ業界が、新しいものを作り出す苦痛の末にたどり着いた時代の象徴にさえ感じるのです。


さて、冒頭に記した話に戻ります…

当時のそのキューバダンス講師と私は、それはそれは馬が合わずレッスンの度、なんとも嫌な気持ちを抱えていました。しかし絶対的支配をもった師匠から指定されていた講師のため、私から何かを言う権利はありません。

私にレッスンをした後、苦虫を噛み潰したような顔で「じゃ、僕はここで失礼」と新大久保のアイドルグッズ店に足早に消えていく後ろ姿を今でもはっきりと思い出します。


今、私があの当時に戻れるのならばあの男性の後ろ姿にこう口答えをしたいのです…


『あの麗しい少女時代も高いヒールでダンスはさぞかし大変でしょうが…少なくとも彼女たちはサルサステップは踏んでいませんから!』


お恥ずかしい程次元の違う話で、お叱り覚悟で比較するような文章になりますが…


私はもう高いヒールでサルサステップを踏むような事はないのに、彼女たちは変わらず今も高いヒールで歌い踊り各国で愛され続けています。


作品制作のどこかに盗作がいくら叫ばれようが、完璧なアイドル少女時代の存在そのものが汚れることはないと私は信じています。


彼女たちのカリスマ性、画面からシャンプーの香りが漂うような清潔感と美しさ…それを越えた女性アイドルグループは、未だ無く革命的な存在と言っても過言ではないでしょう。


そう…彼女たちのキャッチフレーズ『ガールズジェネレーション!!』に口答えをする人は、未だ世界中を探してみても極めて少数だと思うのです。