20歳以上の一般的な日本人の場合、一日に要求される水分の量は、体重1kgにつき50ミリリットルとされています。つまり、体重50kgの人で、2.5リットル。このうち、約1リットルは食事の中に含有される水分として受け取ることができます。

 また、体の中でエネルギーが生成されるときにも、多少の水が生じます。差し引きだいたい1リットル程度が一日に必要とされる最低限の量となります。

 食事中は水を飲まないほうが良いです。
 食事中に水を飲むと、胃液が薄まってしまい、食べた食事を満足に消化できなくなる可能性があるのです。また、水分をとるだけでなく、最適な量の塩分をしっかりと摂るということの大事です。スポーツやサウナなどで発汗したあと30分以内には、何らかの塩分を補給したほうが健康的です。
 胃液の成分には塩分が使用されているので、塩分を摂らないと胃液の成分が弱くなってしまい、胃の中に菌が侵入しても死にません。O‐157や腸炎ビブリオなど、食中毒にかかってしまう可能性もあります。
 塩分を減らすと、水分も摂取しにくくなります。あまり減塩しすぎると、夏バテしてしまいます。

 水を飲む頻度に関しては、理想は30分おきとなります。それが不可能な場合は、一合の水をいちにちに10回程度飲むことを目標としましょう。

 運動中に水分を補給すると、疲労感が増すと信じられていた時代もありましたが、現在は発汗して失った水分はすぐに補給するのが常識となっています。運動をしなくても、睡眠中だけで約300ミリリットルを失っています。下痢や嘔吐のあとにも、できるだけ早く水分を補給する必要があります。この場合は、体が求めるだけ(感覚で飲みたいだけ)飲んでも良いそうです。

 また、体にとっての刺激物や、嗜好品等を嗜んだあとは、多めに水を飲んでおくというのも、健康に役立つ部分です。お酒一合につき水10合を10時間以内、甘いお菓子を食べたあとも7時間以内に多めの水を摂取しておけば、体内物質のバランスがとれます。

 アルコールは肝臓で分解されるときにアセトアルデヒドという毒性のある物質が生成され、悪酔いや二日酔いの原因となってしまうことがあります。砂糖は体の中で分解されてエネルギーになる途中で、体内のカルシウムを勝手に消費してしまいます。アルコールや糖分が体内で分解される時間帯をみはからって水分を補給しておけば、これらの健康被害を防ぐことができます。
 また、水の温度はキンキンに冷えたものより、体温の半分程度(18℃程度)の温度にしておいたほうが無難です。

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