朝のひととき

それは珈琲から始まる


一杯の美味しい香りに包まれて



あの夜

共通の知人からの連絡

 

ぼくは、認めざるをえなかったんだ

 

君がぼくや仲間の前から

姿を消したことを

 

誰にも何も言わず

行き先さえ伝えず

姿を消したことを

 

ぼくは、どこかで覚悟はしていた

そして、どこかで知っていたんだ

 

でも、認めたくはなかったんだ

 

ぼくにだけは、必ず連絡があると信じていた

ただのエゴにずきないのに

頬を伝う一粒の涙がそう言っている気がした

 

溢れ落ちるほどの涙が

頬を濡らしたその日

ぼくは、あるホテルのスイートルームにいた

 

そこには最高級のおもてなしがあった


けれど不思議なもので

感じようとしなければ

人はそこに価値を見いだせない


ぽっかりと空いてしまった

ぼくの心の穴をそのおもてなしでは、

埋めることなどできなかった

 

どんなに最高が迎えてくれていても

自分の心の声を聴くことをやめてしまったら


何も届かない

何も響かない

何も変えられない

 

ぼくは、ぼくを取り戻す旅に出なければ

 

 

あの一人遊びを始めるまで

2ヶ月という時間がぼくには必要だったんだ