中学校以降の数学には、とにかく分数が多く現れる。
方程式という単元にも、分数の入った等式は多く現れますよね。
分数の含まれた方程式を解くには、分母の公倍数を両辺にかけてやり、
分母を払い、係数を整数にするという方法が一般的だと思いますが、
もし、方程式が、分数=分数で与えられていたら…

分母の公倍数、それ自体を考える必要はありません。
分母の積を求めれば、それは必ず公倍数となりますが、左辺と右辺にかけても、もともとあった分母によって打ち消されてしまい、残るのは、他方の分母だけだからです。
そうわかっているのなら、

左辺の、分母を消して、分子に、右辺の分母をかけてやり、
右辺の、分母を消して、分子に、左辺の分母をかけてやればよいと思いませんか?

こうすれば、左辺と右辺の分母の積を両辺にかけたときと同じ効果があるからです。

分数=分数_斜めにかけて等号

↑の式の、「A×D=B×C」が成立するので、この方程式を解けばよいのです。

方程式には、「A:B=C:D」という比例式の未知数を求めるものもあり、
これは「A/B=C/D」という分数を含む式に置き換えることができ、
比例式の性質である、「A×D=B×C」にも一致します。

これは、「たすきにかける」とおぼえてしまいましょう。

ほかにも、さまざまな性質を利用して、方程式をより簡単にすることができます。

(1)約分、倍分
縦に並んだ、二つの式(「AとB」または「CとD」)に、同じ数をかけても、等式は成り立ちます。(同じ数で割っても同様)

(2)両辺を定数倍
横に並んだ、二つの式(「AとC」または「BとD」)に、同じ数をかけても、等式は成り立ちます。(同じ数で割っても同様)

(3)斜めに入れ替え
斜めの位置関係にある、二つの式(「AとD」または「BとC」)を入れ替えても、等式は成り立ちます。

ただし、この法則を利用するときには、両辺に、分数の横棒が1本ずつしかなく、横棒からはみ出した+や-がないことを確認してください。(複数の分数の和になっている場合は、通分して足し合わせて分子を一つにまとめればよろしい。)