方程式の問題で、たまに見かける(ような気がする)のが、
時計の長針と短針が重なる時刻を求める問題。

出題するなら、長針がてっぺんから1回転するまでの間の1時間に限定することが多く、
その場合は、
「長針と短針が重なる時刻は、1時何分ですか?」
「長針と短針が重なる時刻は、2時何分ですか?」
「長針と短針が重なる時刻は、3時何分ですか?」
(以下略)
という出題をすることになるでしょう。

この問題は、針自体には幅がない(考えない)ので、
列車のすれ違い・追い抜きの所要時間を求める問題よりは簡単ではあるものの、
非常にやっかいなのは、
正確な時刻を、整数で表すことができないことです。
(近い整数を求めることならありえます。)

解き方としては、
長針と短針が重なる時刻を、n時x分とし、(注:nは未知数ではなく、たいていの場合、具体的な値が与えられます。)
長針と短針が、それぞれ、1分間に動く角度を使って、
n時x分における、それぞれの位置(てっぺんからの角度)を表すことで、
xの方程式を解くことになります。

n時0分における
長針の位置は… 0 °
短針の位置は… 30n °

1分間に動く角度は
長針… 6 °
短針… 0.5 °

n時x分における
長針の位置は… 6x °
短針の位置は… 30n + 0.5x °

長針と短針が重なる場合は、それぞれの位置(てっぺんからの角度)が同じであるということ。
等式で表すことはできますよね。

ただし、残念ながらxの値は決して整数にはなりません。
時刻なのに、分数を使って表すことになるのです。

そして、注意したほうがよいこととして、
通常、中学校以降の数学では、帯分数をほとんど使わないのですが、
この場合は、具体的な数値がわかるようにしておきたいためか、
時刻を帯分数で表すことが多いようです。
(秒単位で問われることはほとんどない。)
xの値を、一旦仮分数で表したら、分子を分母で割って、整数部分を求めましょう。
「何分と何分の間ですか?」という問にも対応できます。