銃砲刀剣類所持等取締法の第22条というのは、携帯禁止刃物について定められた条文で、持ち歩いてはいけないナイフ等が規定されています。
この条文の第2項に模造けん銃の所持禁止が定められていて、これは直接解釈で良いと思いますが、さらに第3項に定められた模擬銃器の販売目的所持禁止はややこしいので解釈が分かれるところだと思います。
法改正により、この項目が追加されたのは、第2項が昭和46年(1971年)で第3項が昭和52年(1977年)です。
約半世紀も前の法律ですので、現在の世情にそぐわない部分が大いにあるわけですが、この規制が緩和される兆しは一向にありませんね。
法律には、それを執行する人達が解釈運用基準というものを定めて、その運用が恣意的にならないように、そして公平誠実に行われるようになっていることが普通だと言われています。
そして、法律というものの中には絶対的な解釈というものはなく、状況に応じて対応するようになっていることもあるようです。
人の肖像権というものを考えてみたとき、みだりに人の容貌を撮影する行為は肖像権を侵害するもので違法である。という解釈もある一方で、防犯カメラでの撮影は合理的な理由があるので違法とは言えない。という解釈もあるわけです。
解釈運用次第というわけではありませんが、ソープランドと売春防止法、パチンコと賭博罪も似たようなものでしょう。
法22条3項の模擬銃器というのは、内閣府令で定められた改造困難な措置を施されていない金属製モデルガン(三要件具備)のことで、製造業者はその府令基準に合った製品にSMGマークを付けて販売しているわけですよね。
だから、SMGマークが付いていないモデルガンの売買は違法だと言う人がいるのです。ではSMGマークを削り落としたモデルガンを金色に塗り直したものを売買することは違法になるのかというと、そうではなくマークは法定事項ではないので、付けてなくても良いのです。
第3項を厳格に解釈すると、個人間の売買も違法ということになるのでしょうが、過去に流通し現在でも所持が認められているものの所有者が変わるということに、どれだけの害悪があるのかというと、甚だ疑問です。
だからという訳でもないのでしょうが、警察が目くじら立てて取り締まっているようには感じないんです。過去に模擬銃器と言われるモデルガンの個人売買で検挙された事例がどれだけあるんでしょう。
時代が進み、取り締まる側も世代交代していますから、モデルガンを見て模擬銃器とそうでないモデルガンとの違いが解る捜査員の数も減り、改造モデルガンなどよりも真正銃が出回っている現在では模擬銃器の売買などに時間を割く暇も無さそうですけどね。
ベテラン「はいお疲れ様です」