【ダービー展望[1]】総合力が問われた皐月賞 | 【アメブロ版】もんまのコラムスクランブル

【ダービー展望[1]】総合力が問われた皐月賞

来週に迫ったダービー。GI史上初の1着同着という劇的なオークスを経て、今年は好メンバー揃い、昨年や一昨年より注目度が高くなりそうだ。

ダービーを前にステップレースを振り返っていきたい。まずは皐月賞。過去10年を見てもダービーで皐月賞出走馬が3着以内に2頭以上入らなかったのは2002年と04年だけ。皐月賞をきちんと分析しておくことがダービー的中の必須条件となる。

勝ったヴィクトワールピサは中団のインで構え、直線は狭い最内に突っ込み、そこから抜け出してきた。その前の弥生賞でも内から抜けてきており、その経験が活きた。多頭数の馬群にもひるまない精神力は大きな武器となる。それまでスローの上がり勝負しか経験していなかったが、皐月賞は前半60.1-後半60.7の平均からやや速めのペース。それに対応した点も見逃せない。

2着は後方3番手から伸びてきたヒルノダムール。注文を付けたように後方で折り合いに専念し、3、4角で外から進出。しかし、直線入り口で前をカットされる不利があり、そこから立て直して伸びてきた。上がり35.0はメンバー最速。通ったコースを考えれば、勝ち馬と遜色ない内容にも見える。若葉Sは皐月賞のステップとしては珍しくハイペースで流れており、その経験が味方した。

3着はエイシンフラッシュ。ヒルノダムールの少し前に付け、直線は馬群の中を割ってくるように伸びた。あまり切れるイメージがなかったが、勢い良く伸びてきた。1月の京成杯から3ヵ月ぶりの実戦でここまでやれたことは、ダービーでの上積みを期待させるものだった。

4着はローズキングダム。中団より前にいて、坂上からはエイシンフラッシュとともに伸びてきた。小柄な馬が外から被せなれながらも伸びた点は評価できるが、デビュー時から12キロも馬体を減らしており、成長力に疑問を感じた。

アリゼオは5着。大外枠ということもあり、離れた3番手を追走。坂上で一旦先頭に立ったが、最後は切れ味で劣った。逃げ切ったスプリングSと同様に平均ペースに持ち込んだが、現状ではこれが精一杯かとも感じた。

7着ゲシュタルトは2番手から正攻法の競馬。先行馬が崩れる中、7着は悪くない。9着レーヴドリアンは後方2番手から直線だけで9着まで押し上げた。上がり35.1は出走馬中2番目。

《レース評価》平均ペースで流れたこともあり、紛れが生じないレースとなった。速さ、器用さなど総合力を問われる競馬で5連勝を飾ったヴィクトワールピサはもちろん、ヒルノダムール、エイシンフラッシュにも高評価が与えられる。