翌朝。早朝。

看病のおかげでいくぶんスッキリしたので

懲りずにまた温泉に入る。



ぼんやりした頭が、温泉のあたたかい湯気の中で

徐々に目覚める。

あぁ あと何時間後にはここを出なくてはいけないなんて。

絶対掘り当てるぞ、温泉。



お風呂に入るとお腹がすきます。

食事はお時間10分前になったらお電話しますね

と宿の人に言われていたが、その10分前の電話を

ひたすら待つ私たち。

ゴロゴロしながらまだかな?と時計を見るたび

進まない時間にがっくり、を幾度もくりかえした後

やっと電話。



あわてて電話に飛びつき、その足で食事どころに向かうと

ほかの客、だーれも来てない。

朝から食意地を発揮してちょっと恥ずかしくなり

うつむきつつ、着席。



お世話してくださった宿の方が私の風邪を心配してくれた。

宿の接客って大変だろうなぁ。

競争激しいから、隅々まで気を遣わなくちゃいけないし。

などと思いを馳せながら、だいじょうぶですと答える。

こういうときもっと世間話をできたらいいんだけど・・・・

ついついポツリと答えて終わっちゃう自分がいやだ。



まぁそんなかんじにぼそぼそと食べ終わって

部屋に戻り、また入浴。

なごりおしいけど、ここにまた来ることを励みにまた頑張ろうと

気持ちを切り替えて、宿を後にした。