春疾風 ドリップコーヒー 淹れてみる
もんちゃん地方は未明からの春嵐で、くうの散歩以外は一切外に出ませんでした
やらなければならないことをぐだぐだに引き延ばすのがワタクシの真骨頂でございます
そしてこういう日に限ってブログが書きたくなるという困った性格でもあります
タクシードライバーで歌人の高山邦男さんのことは以前ブログに書かせていただきました
高山さんの優しく温かいお人柄がにじみ出ている人情味溢れる短歌にすっかり心奪われてしまい
『インソムニア』という歌集を購入しようと手を尽くしたのですがどうにもこうにも見当たりません
一旦諦めましたが、女の一念岩をも通すじゃありませんが
先日偶然に見つけ、早速古本屋さんから購入いたしました
★ インソムニアとは「不眠症」の意味
本を開く時のあのときめきはいくつになってもかわりません
【夜景となりて】
冬近し客呼びをする街角の娘たち上着一枚羽織る
工事中の赤いポールが並ぶ道われも並びぬ物の如くに
色づく葉地に舞ひ落ちて桜木の道に大きな夜空が戻る
君に似る髪形の娘の一瞬を凝視してまた遠くへ戻る
転機とはいつも暗さと共に来る京滋トンネル走りし昔も
秋霖に滲む看板ぬばたまの夜の道生きるあなたの明かり
場末風の店の名前も君らしくいぢらしく夜の闇に負けるな
縁ありて品川駅まで客とゆく第一京浜の夜景となりて
高山邦男さんは早稲田大在学中は早稲田短歌会で活躍されており、
2006年に「心の花賞」受賞、2009年の角川短歌賞では佳作となった実力者ですが
ご本人は「だめ人間ですから」とご自身を評します
タクシー運転手をしながらたったおひとりで認知症のお母さまの介護されている高山さんが「だめ人間」なら
私なんて「だめだめ人間」になってしまいます
謙虚で律儀なご性格も何となく歌から匂いますよね
高山邦男さんの歌はまた時々ご紹介できればと思います
お母さまはお元気でしょうか
高山さんもお変わりないでしょうか