呼吸が辛い時の呼吸法

ハリーポッターの作者であるJKローリングさんが紹介している動画を見て、私が以前に肺炎となった際に医師から指導され楽になった呼吸法がほとんど一緒でした。

呼吸法動画

そして、新型コロナウィルスに罹ったかもしれない、でも医療機関へ入院するほどではない、または待機中という軽症の方が増えるのではないかとこれから予想されるため、息苦しい時に良いと思われる呼吸法を紹介します。
なお、肺炎になってからでは、頭がボーッとしてしまうため、事前に練習しておく事をおすすめします。

ただし、私は医療や介護などの業務経験は一切ありません。この投稿をするにあたり、看護や介護のホームページを見ましたので、極端な間違いはないと思いますが、最終的な判断はご自分でお願いします。

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紹介する呼吸法は大きく分けて2つのパートに分かれます。

看護や介護の方では
   1)口すぼめ呼吸(有圧呼吸法)
   2)ハフィング
と呼ばれるようです。

準備するものは、咳を抑えるタオル
行う場所は、浴室がベストです。

結構疲れるので無理のない様に!
動画では、うつ伏せ寝の方が肺の動を妨げないから良いと言われていますね。

この呼吸法を浴室で行う理由としては、換気扇を回し居室と比べ陰圧にすることで、ウイルスを住宅内に広げない効果と、シャワーで痰などを流しやすく、洗剤で洗えば壁や床に付着したウイルスの活性を失いやすいからです。また、熱いシャワーの湯気を浴室に満たすことで、ヒートショックの防止と、気道にある繊毛の動きを補助できます。




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1)有圧呼吸法×5回

< 鼻からゆっくり息を吸う→少しの間息を止める→口からろうそくを消すようにふーっと息を吐く >

これは酸素の薄い場所で、高山病の予防としても取り入れられているものです。




息苦しくなると、浅く早い呼吸をしがちですが、それをやってしまうと、肺の中で酸素と二酸化炭素の交換をする時間が十分に取れず、結果的に全身が酸欠になってしまいます。

肺炎の場合は、炎症で肺と血管の仕切り膜が厚くなり、酸素が通過しにくくなるうえ、炎症による体液も溜まるので余計に酸素が通りにくくなり、高山病と同じように体の隅々まで酸素が行き渡りにい状態となります。
すると全身の全ての細胞がうまく動かなくなり、もちろん病に打ち勝つための免疫にも影響があります。

また、体調が悪いと横になっている時間が多くなりますが、寝ている状態はお腹の中にある内臓が横へ広がるため、横隔膜が胸の方へ押し上げられてしまいます。すると、肺の膨らみが十分にできず、さらに呼吸が浅くなりがちです。
そこで、肺が広がりやすい座る立つなどの姿勢での、深呼吸が有効なのですが、肺炎になっている場合は、気管支など空気の通り道も狭くなっていることが多いです。

そこで
   痰などを肺の奥へ送らないためにゆっくり息を吸う
   動画では5秒息を止めて酸素を血管に押し込む
   吐く息ときは圧力をかけて気管を拡げる
動作を行います。




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2)ハフィング×1回

< 鼻からゆっくり息を吸う→ハッハッハッと強く短く息を吐く→タオルを口に当てて咳をする>

有圧呼吸法で、気道も拡がり、体にも酸素が回り始めたと思います。そこで、強い息で痰などを揺さぶったのち、咳の力を使い、ウイルスが沢山混じる痰や体液を体の外へ追い出します。
咳をする際には、ウイルスを無闇に拡散させないため、口にタオルを当てて咳をすることが大事です。





接触感染の場合は、目や鼻や口→気道→気管支→肺胞と増殖(感染)する部位が広がりますが、飛沫や飛沫核感染の場合、吸い込んんだ飛沫が小さいほど、鼻や気管で引っかからずに、肺の奥底まで到達して増殖を始めてしまいます。(余談ですが、気道の手前なら、チェーンメールのように飲み物で胃へ流せますが、そこから先の気道へ飲み物が入ると誤嚥性肺炎のリスクが生じます。また、胃液で死活するウイルスもありますが、ノロウイルスなどは死活しません。新型コロナウイルスも糞から検出される例が報告されいて、胃腸炎の併発もあることから胃液での死活は怪しいと思われます)
そして、ウイルスが体内にあるうちは、常に増殖をしようとするので、重症化を防ぐにはウイルスを肺から出来る遠ざけ、同時に体の外側へ積極的にウイルスを含むものを出すことが回復への近道です。

また、気道や気管支の痰を出すことで、空気が通りやすくなりますし、肺炎の場合は炎症で出てきた体液を減らすことで、酸素交換の効率が上がります。

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呼吸方法とは少しずれますが、コロナなどのウイルス性肺炎の場合、肺胞の線維化と言って炎症で厚くなった膜は治らないことが多いようです。
この線維化というのは、皮膚で言うと子供の頃にひどい傷をした膝などで皮膚が厚く盛り上がり、大人になってもそのままになるのと同じです。
肺の場合は、線維化してしまい硬く厚くなった膜では、酸素の交換がうまくできなくなり、呼吸能力が一生低下したままになります。
つまり、子供や若い人ほど辛い生活が長くなります。

同様に、タバコや粉塵の多い仕事環境などで、肺が既に痛んでいる場合には、肺炎による線維化も相まって、通常時に体が必要とする酸素量だけでなく、免疫で必要とされる大量の酸素を満たすことができず、酸素吸入や血管から抜き取った血液へ酸素を投入する装置が必要な重症者となりやすいようです。

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参考ページ

JKローリングさんのTwitter

呼吸リハビリテーション

高山での有圧呼吸法


酸素が足りなくなるとおきること

浅い呼吸での酸素不足

咳と痰

新型コロナウイルスは胃液では死なない

肺の線維化

ハフィングについて分かりやすい

ECMOについて

自衛隊中央病院の報告

浙江大学の報告