齢80になる実母のスマホを機種変した。現在もAndroidスマホ(GALAXY)を使用している。PayPayもQuick payも電子Suicaも使っているし、楽天やUNIQLOのオンラインで買い物もできるし、電子書籍で本も読んでいる。負けず嫌いのプライドを発揮し、80の後期高齢者にしては使える方だとは思う。本人も「私は使える」「周囲の老人達と自分は違う」と鼻高々なのだが、これはこれで厄介である。


実際は全て家族の助けあってこそである。機種の購入からデータ移行はもちろん、Wi-Fiを接続し、設定を整え、アプリをインストール。使いやすいようにホームを整頓し、それぞれログインする。すぐに使える状態にしているのは私なのだが、母の感覚的には買った段階で自動的に整ってている感覚なのだろう。


1番厄介なのは、IDとPWを記録していないパターン。「そんなん聞かれんかった」 である。「んな訳あるかい!」と心の中で盛大にツッコミを入れる。

AppleとGoogleとauのIDとPWは、絶対不可欠なので、どこかにメモがあるかも・・・と言うのを探しまくった。手書きのメモなので、大文字なのか小文字なのか数字なのか・・・。それも超絶わかりにくくイライラが募る。


AndroidからiPhoneに機種変した事で、一生懸命覚えてきた操作手順が使えなくなり、1から教え直す。これもなかなかイライラが募る。


ITの操作が感覚的に身体に入っている人と、一生懸命頭で理解した人とは、理解の仕組みが全く違う。

例えて言うと、デジタルネイティブがクラウドを自然と受け入れられるのと、デスクトップのように目に見える場所に保存しないと理解出来ない昭和世代との感覚的な違いと言ったらわかりやすいだろうか。説明が超絶難しい。


このように親世代のフォローをしていると、時代について来れない者が自動的に不利になる世の中なのだということを実感する。今回の機種変でつくづく身に沁みた。


私はとっくにauに見切りをつけpovoユーザーだが、高齢の両親がしつこくauユーザーで居続けて余分とも思える高い料金を支払ってきたのは、年寄り故に店頭でのサービスに期待するからである。今回も母は、娘の手を煩わせることなく店頭で手続きをする予定だった。


だが店頭の来店予約をしてみてわかったのだが、ショップで機種変する場合、機種はほぼ選択の余地がない。在庫がないという謎の理由で、iPhoneなら最新の15一択である。オンラインで在庫があっても取り寄せてもくれない。最新機種は当たり前に高いし年寄りには宝の持ち腐れである。電話で「機種変はオンラインの方がお得ですし、ご自身で簡単にできますよ」と相手の状況も知り得ない店員さんに、軽ーく言われた。


そういう事情で、高齢者が自身で機種変をする選択肢はなくなった。オンラインでは、13.14.SEも購入可能。店頭に足を運ぶ方が、より良いサービスを受けられるという認識は、時代と共に無くなった。

母には13を購入し父にはSE第3世代を購入。これで望まない15を買うより約10万円の節約である。


店頭でデータ移行をお願いしたら、サービスではなくちゃっかり3,300円取られる。そして納得いかないのだが、オンライン購入し何1つショップでお世話になっていないのに、事務手数料は自動的に3,500円かかる謎の仕組みである。

いざという時ですら何のサービスも享受出来ないのなら、もうauユーザーであり続ける必要は無い。この機種変が済んだら両親も解約することに決めた。


iPhoneを購入しても、今は付属品も無い。アダプターやカバーなどの備品をAmazonにて購入。 母だけならば、必須機器も自力では揃えられない。


この後最大難関である、父の機種変が残っている。 母より桁違いにITオンチな父である。知能が低い訳ではなく、そういう感覚的センスがない。以前SMSメールとGmailとの違いを説明するのもなかなか苦労したことがあり、もはや仕組みを理解させようと思うのは無理である。

今使用しているのは、かなり初期の簡単スマホで、ここからiPhoneを使えるように教えるのか・・・。

プライドの高い父だけに、必要以上にこちらが気を使う。


すでに憂鬱で仕方ない。


うーん。でも、やるしかないか・・・。