この6月末で一緒の部署で仲良くしていた派遣社員が辞めることになった。継続5年目だということではあるが、無期雇用にはしてもらえなかった。大きな企業は、時代の流れに合わせて組織編成を度々するので、表向きの会社名や部署名が変わると有期雇用のまま何年も同じ組織に居られるという仕組み。この抜け道も良いような悪いような・・・。使い勝手は良いのに無期雇用にする気ないというのは、なかなかモチベーションが下がる。

専業主婦になるということで転職せず、組織編成後の混乱フォローと私への引き継ぎの為、説得されて退職日を3ヶ月延長してくれた。


皆が多忙で教えてもらう時間が取れない状況の中、付きっきりで教えくれ、関係者に紹介してくれる人が居るというのは、私にとっては滅茶苦茶ラッキーな環境だった。有難いとしか言いようがない。皆に好かれている人で名残惜しく、先日送別会を実施。(1人5,500円社員と一律金額!)楽しく飲み会があり、ご本人から皆の前で挨拶があった。


そこまでの対応はまぁ常識的といえる。

びっくりしたのはここから。

更にオンライン寄せ書きをプレゼント。色紙で貰うと置き場所と捨て時に困るというご本人の希望でデータプレゼントに決まったのだが、結局「データでは味気ない」という幹事の主観により、更にオンラインショップで作成した色紙を発注。データ➕現物プレゼントになった。

そもそも【寄せ書き】欲しい人って居るのか?というのが私は疑問である。長年勤務した定年退職ならまだしも、たかだか派遣である。通りいっぺんのテンプレートの文章が並んだ寄せ書き、貰ったところで・・・とはならないのか?

手作りのメッセージアルバム的な物を作成するという幹事には、全力で止めた。高校生じゃあるまいし。

本人がデータを希望したのに、わざわざお金払って色紙にもするというこの感覚がよくわからない。


その上に5,000円の記念品と7,000円の花束を準備。ここまででカンパ金16,000円を使用。(飲み会代は別)


そしてここからが、もうやり過ぎ感ハンパない。

終業時間の設定でフロア全員(部外も含め数十名)に「◯◯さんお別れ会」お知らせメールを送信。何故かTeamsでもLive配信するという。謎すぎる。


この会議案内を受信した後「ここまでやる?これ、本人知らんやろ?私やったら、嫌やわ」という呟きチャットが数名から入った。私も同感。

ただでさえ、最終日は色んな人に挨拶しまくって朝から緊張するのに、フロア全体を巻き込んでのこんなたいそうなサプライズ、はっきり言って気まずいだけである。


あくまでも職場なのだから、公式に部長が指示してやるのであれば、どんな人が退職する時も同じようにするべきだと思う。後は、親しかった個人個人がやれば良い。


花束を準備したり記念品を選んだり協力はしたものの、あまりの大騒ぎにテンションがだだ下り。終業後に残り、ニコニコ笑顔でプレゼントを渡したり見送ったりしないといけないかと思うと、憂鬱過ぎる。こういうの、本当に苦手である。

結局悩んだ挙句、仮病を理由に在宅にした。こういう際、コロナは便利である。


そもそも本人の申告している退職の理由って、本心か?と私は感じている。子供無し、40半ばの女性が、人間関係にも業務内容にも不満がない職場を自分から辞めるだろうか?姑の介護を仄めかしてはいるが、【専業主婦になる】という時代錯誤な理由を言われ、真に受けている男性社員は本当にオメデタイ。


「ダークに物事を捉えるタイプ」と私が自身を例えたのに対し、「私のことをよく知っている幼馴染は、笑顔のままギザギザナイフで刺して更にグリッとえぐりそうと言う」と彼女は自分のことを例えた。3ヶ月という短い期間ではあったが、私は妙に気が合った。癒し系と信じて疑わない男性社員は、知らない彼女の一面である。


LINEでも繋がっているし、今後のランチの約束もした。

また彼女の本心を聞いてみたいと思う。