流星ワゴン/重松 清  ¥730



9月に読んだ本、第三弾。

通勤電車で、たまたま向いに座った方が読んでいて

タイトルといい、本の装丁といい

「ああ、私の好みだわ」と直感した本。

しかしストーリーは

タイトル&装丁の印象からは、ほど遠いものでした・・・。



 ひきこもり、暴力をふるう息子。

 浮気を重ねる妻。

 会社からはリストラ寸前……死を決意した37歳の僕は、

 死んだはずの父子が運転する不思議なワゴン車に乗り込んだ。
 37歳・秋
 「死んでもいい」と思っていた。
 ある夜、不思議なワゴンに乗った。
 そして――自分と同い歳の父と出逢った。
 僕らは、友だちになれるだろうか?


というのが、ストーリーの内容。

これでファンタジーだというのだから、恐れ入ります。


ワゴンに乗り込んだ主人公は、自分と同い年の父親と一緒に

過去の「たいせつな場所」に戻ります。

過去に戻るけれど、過去は変わらない。変えられない。

変わるのは主人公の気持ちだけ。

それでも、何も知らないよりは

知ることができただけ、幸せ・・・とは言い切れない、

なんとも切ない物語です。


自分と同い年の父に出会う・・・という設定がにくいです。

読みながら

私も自分と同い年の母(父でもいいですが)に会って、

いろいろ話してみたいな~という気持ちになりました。

今の母ではなく

若かりし日の母だからこそ、聞いてみたい。


同い年でも、やっぱり親は親。

友達にはなれないかな~と、私は思いました。