垣根 涼介 ワイルド・ソウル〈上〉
垣根 涼介 ワイルド・ソウル〈下〉
8月下旬に実家に帰ったときに
実家から借りてきた本です。
前にもお話したことがあるかと思いますが、
私の家族(父母&兄@茨城)も読書家で
面白い本があると家族の中で話題になり、誰かが本を買うと回し読みします。
これもその一つで
両親→兄→私へと回ってきた本です。
余談になりますが、
家族の会話のうち、3割は本と映画の話です。
うちの家族ですごいなぁ~と思うのは
子ども(私&兄)が面白かったと思う本や映画の話をすると
両親もその本を読んだり、映画を見たりするところ。
以前、池澤夏樹の「花を運ぶ妹」を紹介したら
両親揃ってその本を読み、
その本の舞台となっているバリへ旅行に行ってしまった・・・ということもありました。
最近勉強した「読書と豊かな人間性」のテキストの中にも書いてありましたが
親が読書するかどうか、
家庭での読書環境は、子どもの読書と深い関わりを持っているのだなと
改めて感じる今日この頃です。
昔から、そして今もなお
家の中に本が溢れている環境を与えてくれた両親には感謝です。
私もそういう親になりたいですね。
さて、それでこの「ワイルド・ソウル」ですが・・・。
ストーリーは、戦後間もなく
ブラジルのアマゾン奥地に移住した、移民たちの過酷な人生を描いたもの。
「外務省、ひいては日本国にだまされた形で南米へ移住し、
辛酸をなめた人間たちの復讐譚(たん)が、骨太につづられる」と、紹介されているように
ストーリーの骨格は、その復讐劇である。
正直なところ、その復讐劇自体は「なんだかなぁ・・・」という印象が払拭できないが
「優良な農地がある」と日本政府の嘘に騙されて
アマゾンなどに移住し、
劣悪で過酷な生活を強いられた移民たちがいたという史実については
涙なくしては読めません。
私たちがいかに多くのことを知らされずに暮らしているのか、
日本の歴史にはあまり語られてこなかった
悲しい歴史がたくさんあることを知りました。
そして国は平気な顔をして国民に嘘をつくのだな、ということも知りました。
「ワイルド・ソウル」・・・社会派小説のように思われますが
エンターテイメント小説です。
個人的には復讐劇とかはどうでもよくって
そのまま社会派小説でもいいのになぁ~と残念ですが、
きっとこんなふうにエンターテイメント化しないと
多くの人に読まれないのかもしれませんね。それもまた残念です。