カズオ イシグロ わたしを離さないで
沖縄旅行中に読んだ本。
バカンス中に読むのに適した本ではありません。
しかし、この本でなかったら
暇をもてあましてしまったでしょう。
そしてバカンス中だったからこそ、
じっくりと味わって読むことができたのかもしれません。
物語はイギリスを舞台とした、若者3人の青春の日々を
主人公キャシーが回想する形で淡々と語られています。
でもどこか、奇妙な彼らの青春時代。
何か事情がありそうな・・・なんだろう?とその謎に誘われまま
物語の世界に導かれていきました。
その謎こそが物語りなので、
内容に触れることはできませんが・・・なんともいえぬ、悲しい物語でした。
そして
人間が人間であるということ、
その存在とは何なのか―そういうことを深く考えさせられる本でした。
カズオ・イシグロ氏の小説を読むのは
映画化もされた「日の名残り」以来。
自分に英語の能力があったら
是非、原文で読んでみたいものです。
(彼の日本語の文章を読んでみたいですね)
そして、今回も「日の名残り」と同じ土屋政雄氏の素晴らしい翻訳です。
「Never Let Me Go」を
「わたしを離さないで」と訳されるとは!
この美しい日本語が、
この物語をまたひと味もふた味も
味わい深いものにしているように思われました。