奥田 英朗 サウス・バウンド
「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」の奥山英朗氏の新作・・・のはずでしたが
図書館で予約して順番が回ってくる間に、新刊ではなくなってしまいましたね(笑)
痛快でした!
直木賞を取った「空中ブランコ」は、さほど面白いと思いませんでしたが
「サウスバウンド」は面白かったですね。
しかも、ただ面白いだけではなく
いじめ、教育、差別、リゾート開発・・・などの社会問題を扱いつつ、
けれど、話は重くなく説教臭くもなく、
それなのに
なんだか、いろいろ考えさせられてしまう、読み応えのある一冊でした。
主人公は、小学六年生の二郎くん。
父親の一郎さんは、元過激派で現在は自称フリーライターで
家でブラブラしつつ、
役所の人や学校の先生相手に過激な論争を繰り広げては
騒動を起こす、不良オヤジ。
結局、いろんな騒動で東京にいられなくなって
西表島へ移住するも、今度はまたそこで大騒動・・・というストーリー。
こんな父親を持ったら
子どもは本当に大変、というか苦労すると思う。
実際、小説の中でも息子二郎くんはえらい苦労をするはめになるのですが・・・。
でもね、最後の方で
このとんでもない不良オヤジが超カッコ良く感じられるのです。
あーこんな親父も悪くないねえ~って。
また親父も親父なら、息子二郎くんも負けずにカッコ良くって
男気溢れるこの親子にすっかり魅了されました。
悔しいけれど
女の子、女親には体験できない世界ですから(笑)
「空中ブランコ」ではファンにならなかったけれど
「サウスバウンド」で奥田ファンになりそうです。
恩田陸さん同様、懐の深いというか
引き出しをたくさん持っている作家さんで、今後の作品も楽しみです。