著者:桐野 夏生 タイトル:アイムソーリー、ママ
桐野夏生さんの本を最初に読んだのは「グロテスク」。
面白いから読んでごらん・・・と、読書マニアな両親からすすめられてきたが
どうにも読んでみよう、という気にずっとなれなかった桐野作品。
でも「グロテスク」が実際に起きた事件を題材にしていて
その事件に興味があったこともあって、長編ながら読んでみると
自分でも驚くほど
グイグイと小説に引きずり込まれていきました・・・。
そういうこともあって、また桐野作品を読むの
楽しみにしてました。
・・・がしかし、「アイムソーリー、ママ」
なんとも奇怪な小説でした。
ヘンな話だな~なんだろう?
という疑問は、本を読み終えても消えず、いろいろ調べてみると
この小説は、「古着を写真に撮って、その写真を元に小説を作ってみたらどうだろう?」という
思いつきから企画された連載だったとのこと。
だから、なのでしょうか?
どうも、まとまりの悪い、ぼやけた小説なのは・・・。
私が感じる、桐野さんの持ち味は
「小説なのにリアル」なところ。
しかし「アイムソーリー、ママ」にはちっともリアルさを感じられず・・・残念でした。
女の醜い部分(邪悪な部分、とよく表現されてますが)を書かせたら
桐野さんの右に出る作家はいないのではないでしょうか。
女性を描く作家は、村上春樹氏とか、江國香織さんとか・・・いらっしゃいますが
描かれる女性は、弱く儚げで孤独や退屈と戦っているようなイメージ。
でも女性をリアルに描いたら
そんなキレイゴトでは済まないって思うのですよ、私は。
やっぱり、自分の醜い部分、邪悪な部分を
きちんと知っておくって大事だと思います。(と思うには、深いワケがあります)