キーンコーンカーンコーン…

「起立、礼、着席」


…はぁ。つまんないの。

毎日毎日同じ時間通りに授業が始まり
先生の長たらしい話を聞いて
ぼーっとしてたら時間が過ぎて
授業が終わり

そんな毎日の繰り返し。

学校ってほんとにつまらない。
まあ帰ってからもつまらないか。

クラスの子達は友達という名の暇つぶし相手を
作って話しをしたりご飯を食べたり。
放課後どこかに出かけたり。

私はそーゆうのはなんか苦手というか…
ある"過去"を引きづってて人と関わるのが
そんなに好きじゃなくなった故に、
できる限り1人でいたいのだが……


……はあ。

太田「なに、岡田さん。」


2年生になってからはよく視線を感じ
1人でぼーっとする時間が減った。


岡田「え、なんでもないよ!?気にしないで〜!」

この子犬みたいな眼差しでいつも隣の席から
私をみてくる岡田奈々のせい。

太田「いや、いやでも気になるでしょ。ずっとみてきてなんか私変ですか?」

私は友達などを作らないという以外では平凡で至って真面目な生徒。

そんな私のなにが不満なのか。

いじめ……?
いやそんなことをするような子ではないはず。


岡田「うん!変だと思う!」

と、真っ直ぐな目で返す岡田さん。

……どストレートな悪口!?

驚いて言葉が出ないでいると

岡田「いや、まって!全然悪い方の意味じゃないんだよ?」

太田「はい?」

岡田「太田さんって、あんまり人と喋らないからいつも何考えてるんだろうなぁって気になってさ!窓のそとずっと見てる日もあれば〜コソコソ机の下でスマホ見てたりとか?!」

太田「…始めの方は確かに気になるかもやけど、後の方はみんなやってるやろ。」

岡田「そーかなー?でもなんか太田さんって"青色"のオーラがあるよね!かっこいい!」

太田「オーラ?」

岡田「うん!青だから〜冷静沈着的な感じ?」

太田「意味は今考えたのね……」

岡田さんと話してて今私が思ったのは、
岡田さんだけには変人と思われるのは心外。


先生「おい、太田岡田うるせーぞ!」

岡田「え、あ、ごめんなさーい!!!」

美音「もーなぁちゃんってば。笑
ねー、ゆいりちゃん?」

彩希「うん、なぁちゃん静かに。」

岡田「ゆうちゃん…ごめんなさい。」

彩希「太田さん、なぁちゃんがごめんね。なぁちゃんのことうるさかったら無視していいからね」

岡田「なんでそんな酷いこと言うんですかぁ…!!」

太田「村山さん、大丈夫です。元からそんなに気にしてないんで……」

岡田「2人とも酷いよ〜」

先生「だから静かにしろーー!!!!」


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今日は疲れた……
早く帰ろっと……


上履きを脱いでローファーに履き替えると
後ろから

「ゆーりさん!!!!」

と、聞き覚えのある声が聞こえてきた。

太田「望叶。」

望叶「一緒に帰りましょーよ?」

太田「えー…また?」

望叶「とか言って、嬉しいですよね?」

この子は山本望叶。
私が小学生の頃から私の事をしたってくれている
言ってみれば妹みたいな子。

高校も私と同じところがいいから
この高校にしたらい。

こんなに顔も可愛くて甘えん坊やのに
彼氏がいないのホンマに不思議。

太田「嬉しくないです。ほら、早くしないと置いてくで。」

望叶「もー素直じゃないんですから。」

望叶と過ごす時間はわりと好きだったりする。
小さい頃から知ってるという安心感もあるし。
私が嫌なことは理解してくれているし
絶対に踏み込んで欲しくない所には
絶対踏み込んでこないし。


いい意味で都合がいいのだ。


望叶「へぇ〜面白いですね」

望叶に今日の岡田さんに言われたことを話してみた。

太田「こっちはちっとも面白くないよ。先生には目をつけられるし。」

望叶「まあ、たしかに……」

太田「やろ?ほぼ初めて喋ったのにいきたり変って言われるしさぁ」

望叶「まぁ、ゆーりさんは変ですよ」

太田「望叶も変やで」

望叶「……。でも、そのオーラってなんなんでしょうね?岡田先輩ほんとにオーラが見えてたりして!」

太田「見えてるわけないやん。オーラなんてないし。」

望叶「そーなんかなぁ。でも友達出来て良かったですね!いつぶりですか?中学とか?」

太田「別に友達なんて思ってない。」

望叶「えー変わり者同士仲良くなれそうなのに。」

太田「さっきからうるさいで望叶。おばさんに数学の小テストの結果言っちゃおかなぁ」

望叶「ごめんなさい」