第1話
「寒さ続きの朝が来た」

ーー廊下ーー
    こそこそした話し声。耳打ちする少女達。呆れた目で見る乙女達。それを遠くから見ている男子達。他人様だという野郎達。
    制服を着てるけど、適当な着こなしというなのだらしなさ。こんな季節にスカート短くする意味が分からない。そういう子ほど噂話がお好きなようで。
    左手首の包帯は目立つし嫌だ。本当はそのままでよかったのに。見栄えが良くないからって。こっちの方が見栄え良くないよ。そこに集まる目線も多くて。
    リュックを背負ってる肩が重い。筆箱とかファイルしか入ってないのに。というかだるい。保健室とか屋上の窓、蹴り飛ばしてサボりたい。  
   あー目線痛い。何も悪いことしてないのに。どうせ昨日の4時間のことでみんな見てるんでしょ⁇なんだあいつ、ふざけてるのかってね。
    教室までもう少し。

ーー教室ーー
「おはよ、日向さん。…気分はどう⁇」
    話しかけてきたクラスメイト。いつもあんまり話さない。あ、クラス委員だから無理矢理ね。わざわざお節介をどうもありがとう。教室内も廊下と似たような感じの空気。
    適当な相槌うって自分の席へ。机の上には菊の花。ご丁寧に花瓶付き。やったのはあの子達ね。低脳なの、あの子達。どう考えてもおかしいってわかること、全く分からない。
「おはよ。朝、寝坊しちゃって……片付けるね、夕。夕もこんなところに花があったら邪魔でしょ⁇」
「茜…」
「後でたくさん話は聞くよ。だから今は無理しないで。人間不信が酷くなるから」
    そういうと茜は花瓶を持って教室を出た。片付けさせないで菊の花、あの子達に頭からぶっかければ良かったかな。あ、でもそんなことしたら、あの子達と同レベルか。