今しがた仕事から帰ってきてご飯を食べていた
旦那さんが言った。

今週は2日しか仕事行っていないのに疲れた。
昨日、昔の上司に飲みに誘われたのがきつかった。
うだうだと俺は悪くない(昨年仕事がうまく
いかなくてその上司は降格されました)みたいな
ことを延々とされてさ。
去年も俺たちを捨ててさっさと本社に戻って、俺が困った
時に電話をしたら、これ以上俺に関わらないでくれ、
俺の仕事の道筋に傷をつけるなと言われたんだよね。
俺、その時の言葉絶対に忘れない。

と、言うので、ちょっとまずいかな・・と思いつつも
言わずにいられなかった余計なことを言ってしまった。

あなたの気持ち、よくわかるよ。
私も去年あなたに同じこと言われたよね。
俺の仕事の邪魔をするな、傷をつけるなって。

それで一発、旦那さんがキレた。

そんなこと言うならもういいよ。
なんでそんなこと言うんだ?
一緒じゃないだろ。
俺は認めない。
絶対一緒じゃないからな。
なんでそんなこと蒸し返すんだ!

涙が出てきた。

大差ない・・・。

何が違うというんだろう?
何か違うのか?

私と父に向かって言ったあの言葉。

義父が言った言葉。

うちの息子は英語もしゃべれる。中国語もしゃべれる。
博士号もとっている。
こんな努力家はいない。
こんな立派な息子の出世に傷をつけるのか!

一緒じゃねぇ?

少なくとも、私には一緒にしか思えない。
このことに触れるとあんなにキレるのは、自分にも
落ち度があることが分かってるんじゃないの?
私への怒りが頂点に達していたことは分かるけど、
この問題に関しての彼の怒り方はすさまじい。

男の人にとっての仕事は人生みたいなもんかも
しれないけど、今日も娘が電話で言ってたよ。

勉強ばっかりのパパの人生ってなんなの?
つまんなくない?

そうだよね。
でも、他の人には分からない思いがあるんだよ。
そうでなきゃ、勉強以外の一切のことをしない
人生なんてありえないよ。

ホント、他人からみたらつまんない人生だと思うよ。
でも、最近言ってくれる。

私と出会わなかったら納豆も一生食べなかったし、
こんな家にすまなかったし、映画を観にいくことも
なかったと思う。

旦那さんは、たぶん、40歳を過ぎて、仕事以外の
ことにも初めて目をやって、自分には何もないことを
分かってきたんじゃないのかな?
こんな私でもいてくれなきゃ、自分には何も残らないと
思ってくれたんじゃないのかな?

残念ながら、子供はもう旦那さんのことを見限って
いるけど、幸運なことに私はそうじゃない。

それだけでも良かったと思うよ、お互いに。

彼も私も傷だらけで孤独でお互いを必要としている。

そう気づくまでのこの一年間は全然無駄な時間とは
言えないのかもしれない。

深い、深い傷跡を残したけど。
これからも消えることのない傷をひきずっているけど。
それでも、一緒にいることしか、今はできない。