わたしは、立葵(たちあおい)と、
芙蓉(ふよう)や木槿(むくげ)を、
よく間違えそうになります。
 
すくっと1本、
立っているのが、見えなければ、
間違えます。
 
 
   ***   ***
 
 
戦時に、権力が、
どのような人間を、どのような方法により、
選別するかを、
現代人は知りません。
 
第二次世界大戦後、
日本は、戦争を経験していないだけでなく、
国民皆兵や男子皆兵の徴兵制がなく、
民衆は、軍事教練を受けていません。
 
野蛮なことを、知りませんから、
権力と、知覚や判断との、関係について、
無学文盲のようなものです。
 
平和は、鉄砲を使わない戦争であると、
毛沢東も、言っていたくらいですから、
ロマンティストの目があれば、
文化大革命よりも、日本の平和が、
革命戦争よりも、野蛮かも知れません。
 
 
   わたしは、アフガニスタンの内戦時に、
   現地のソ連軍に、
   銃の扱い方を、教えられるまで、
   鉄砲の実物を見たことも、
   ありませんでした。
 
   男子皆兵の、2度の世界大戦に、
   徴兵された一般市民が、
   自国の軍隊に殺されずに、
   生き残るために、
   習熟しなければいけなかった精神が、
   今も求められていると、
   安倍晋三君は、
   信じているかのようです。
 
   社会体制でなく、
   必死で適応しようとした精神が、
   大切であると。
 
   彼は、好んで、
   企業戦士という言葉を使い、
   日本が追求すべきと信じる価値を、
   表現します。
 
   高度経済成長の時代よりも、
   むしろ、第二次世界大戦の頃の、
   軍国主義や全体主義に、
   求められた精神を、
   現代日本が求めていると。
 
   鉄砲を突きつけられて、
   生き方を強制された人間の心が、
   今も、社会人の心得であり、
   日本に必要であると、
   安倍晋三君は、確信しています。
 
 
なぜ、権力の言うことを聞かなければ、
殺されると、覚悟した心が、
良いのでしょうか。
 
トルストイの戦争と平和の、
ピエールのような心です。
 
みんなと一緒の価値観を、
国の隅々までに強要する考え方は、
16~17世紀の、絶対主義王朝の時代よりも、
むしろ、フランス革命後の
19世紀のヨーロッパの一般庶民に流行して、
ナチスドイツやホロコーストや
原子爆弾投下などと共に、
20世紀の中頃に滅んだ思想です。
 
マルクス・レーニン主義者が、
ナチスドイツや軍国主義日本を、
批判しましたので、
共食いのような批判勢力も含めて、
遅くとも、ソ連の崩壊により、
ロマン主義は、一掃されたと、
言われています。
 
 
   18世紀後半のフランス革命から、
   20世紀の終わりまでの、
   世界の思潮です。
 
   日本の幕末の志士たちも、
   フランス革命に憧れましたので、
   明治維新の薩長政府は
   純然たるロマン主義を標榜しました。
   
   イギリスの産業革命に、遅れを取り、
   存亡の危機に立たされた大陸の
   ヨーロッパ人が、
   フランス革命を起こしました。
 
   王侯貴族や聖職者を、殺して、
   荘園に囲われていた農奴を、
   こき使うために、
   都会の工場に引っ張り出しました。
 
 
自然科学の法則が、
産業革命の原動力の科学技術を生んだように、
人間や社会の、精神や文化にも、
自然法則があり、人間を選別して、
品種改良を成し遂げた民族が、
産業革命に打ち勝ち、生き残ると、
民衆を鼓舞しました。
 
ナポレオンが、
ヨーロッパ大陸の合理化を目指したように、
ソ連やナチスも、
世界を統一する国家や政府を望み、
社会主義を標榜しただけでなく、
革命や戦争を、次々に起こしました。
  
ヒトラーは、ヨーロッパ全土に、
戦争を仕掛けて、
ロンドンに、ロケットを打ち込み、
大陸とイギリスの、ユダヤ人を、
絶滅させようと目論見ました。
 
 
   ユダヤの資本家は、
   イギリスの産業革命の張本人でしたが、
   すでに、経済や産業の本拠地を、
   アメリカ大陸に移していましたので、
   イギリスは、もぬけの殻でした。
 
   ヨーロッパに残った同胞たちが、
   ほんの600万人ほど、
   ヒトラーに殺されただけです。
 
   日本の幕末の志士たちが、
   ロマン主義を目指して、
   新しい国を作り、せっかく、
   第二次世界大戦に負けたのに、
   日本国憲法のように、
   一層ロマンティックな憲法を、
   頂く嵌めになりましたから、
   踏んだり蹴ったりです。
 
   負けたから、
   もっと負ける憲法を、
   押し付けられたのは、当たり前ですが、
   現代人には、理解できませんでした。
 
  
マッカーサが、日本国憲法のように、
ロマンティックな復古主義を、
日本に再現したのは、
ソ連が、まだ死んでいなかったからですが、
マッカーサも、死んでいなかったからに、
違いありません。
 
ナポレオンやナチスと同様に、
ソ連は、
生粋(きっすい)のロマン主義社会でしたが、
戦勝国でした。
 
アメリカと、ソ連や中国の、
ロマン主義者たちは、
共食いをしなければ、気が済みません。
 
中学や高校の子どもたちが、
すばしこく、1番の成績になり、
東京大学医学部出身の医師の、鼻が高いのと、
ロマン主義者が、民衆の選別を、
確信する気持ちは、さほど違いません。
 
朝鮮戦争やベトナム戦争の、
わたしの青年時代には、
ロマン主義の亡霊たちが、
ゾンビのような戦いに、明け暮れていました。
 
ジャーナリストのような敗残兵は、
冷戦と自嘲しましたが、
わたしは、海ゆかばの歌詞を、
大伴家持が、ほんとうに歌ったのかと、
気になりました。
 
海ゆかば、水漬く屍、
山行かば、草生す屍、
大君の、辺にこそ死なめ、
かへりみはせじ
 
 
   イギリスやアメリカの、ユダヤの、
   産業革命の勢力に、
   蔑(ないがし)ろにされて、
   ソ連が、1991年に崩壊したことは、
   若い子でも、知っています。
 
   アメリカのロマン主義のゾンビは、
   どうなったのかと、
   ちっとも、気になりませんでした。
 
   ブッシュが、イラクと戦ったり、
   トランプが、北朝鮮と会談したりと、
   いまだに、夢中ですが、 
   餌(えさ)がなくなれば、
   共食いは、当たり前ですから、
   やがて、安倍晋三君も、
   引っ張り出されるでしょう。
 
   彼は、コンピュータを知りませんから、
   食べなければ生きて行けません。
 
   ロマン主義は、
   ゾンビが、人間の筋肉や脳みそを慕い、
   人間を食べる時代でした。
 
   コンピュータは、
   野蛮でありませんので、
   絶食療法のように、何も食べません。
 
   
ロマン主義と、思想のことを言うのなら、
イギリスやユダヤの、産業革命の司令塔は、
イギリス経験論と、目されるべきです。
 
ナポレオンやレーニンや
ヒトラーやマッカーサや東条英機などの、
ロマン主義者たちとは、
正反対の考え方でした。
 
第二次世界大戦終了と共に、
コンピュータが実用化されたのは、
ナチスが台頭する以前から、
ヨーロッパ大陸とイギリスの、
経験論者たちが、ロマン主義を批判して、
ウィーンに集まっていたからです。
 
ヒトラーに駆逐されて、
アメリカへ移住するための、
架け橋の街になりましたが、
記号論理学やコンピュータなどの、
産業革命の原理や原動力が、研究されました。
 
アメリカに渡ったコンピュータは、
第二次世界大戦後に、すぐに、
ユダヤ資本の銀行で、実用化されました。
 
スターリンやヒトラーは、
コンピュータが、
単なる計算のための機械でなく、
ロマン主義を、根本から否定するための、
イギリス経験論の道具であったことを、
生涯、理解できませんでした。
 
ロマン主義者は、数学ができません。
 
 
   ソ連の崩壊は、
   特権階級のノーメンクラツーラと
   乗り遅れたコンピュータのせいと、
   言われましたが、
   日本経済が、石油危機とバブルを経て、
   壊滅したのも、
   官僚主義の瀰漫(びまん)だけでなく、
   経験論のコンピュータを、
   ロマン主義者たちが
   理解できなかったからです。
 
   阿倍晋三君と同じです。
 
   数学のできない人は、
   政治家になるべきでないかも
   知れません。
 
   現代日本の銀行員に、
   コンピュータの原理を尋ねても、
   わかりませんから、
   日本が潰れるのも、
   阿倍君の失脚と同じように、
   時間の問題です。
 
   精神や人格や歴史のような、
   事実と言われる架空の物語を
   信じなければ、
   身の回りのことを、理解できない人は、
   横井庄一氏や小野田寛郎氏のように、
   精神科医だけでなく内科医も、
   遠くない将来に、絶滅するはずです。
 
   事実が、コンピュータに必要ないのは、
   なぜかを、
   ロマン主義者は、理解できません。
 
   科学技術の事実が、
   間違っているはずがないと、
   彼らは、信じていますから、
   知覚の仕組みを、実感できません。
 
   脳の仕組みが、
   算盤(そろばん)であると、
   わかっていないはずです。
 
 
ピアノと同じで、
別に、数学ができなくても、
政治ができないと、思えませんから、
なぜ、脳みそや知覚の仕組みを、
ロマン主義者が、理解できないのかと、
不安になります。
 
5倍速で、録音ファイルを再生すると、
わたしは、聞き取れませんから、
目の見みえない人は、不思議だと、笑います。
 
わたしは、目が見えないのかも、知れません。
 
コンピュータの仕組みは、
専門学校の生徒でも、
あらすじを知っていますから、
わたしが言うまでもなく、
コンピュータの本を読めば、
だれでも、わかります。
 
どうして、
脳の知覚や、判断や記憶などの、仕組みを、
スターリンやヒトラーは、
実感できなかったのでしょうか。
 
算盤(そろばん)と同じですから、
見た通りなのに・・・
 
 
   ソロバンって、
   英語では、abacus と言いますが、
   あほ馬鹿カスと、言われているようで、
   わたしは、嫌(いや)でした。
 
   でも、脳や知覚の仕組みは、
   単細胞生物よりも、単純明快です。
 
   たぶん、脳は、
   最も原始的な生物の器官でしょう。
 
   免疫のような、
   単純馬鹿の組み合わせは、
   コンピュータのハードウェアの設計や、
   プログラムの作成も、同じです。
 
   幕末の小栗忠順(おぐりただまさ)は、
   フィラデルフィアの造幣局で、
   金貨と小判の、成分の分析を要求して、
   日本の通貨の、純金の比率が、
   額面通りでなく、
   純金の質量を基準にした為替レートは、
   不正であると、主張しました。
 
   欧米の金銀の交換比率は、
   1:15でしたが、
   日本は、1:5でしたので、
   銀の価値が、相対的に高く、
   欧米と日本の銀貨を、
   銀の含有量により、
   等価交換したのでは、
   日本の銀貨を、日本の小判に両替して、
   上海で売り捌くだけで、
   大儲けできる事態になってしまいます。
 
   棚からボタ餅です。
 
   貿易業者と言えども、
   初代駐日公使のハリスが、
   銀の質量による等価交換を
   日本に対して、執拗に主張しながら、
   その手法により、
   大儲けをしましたので、
   自作自演の彼を、
   処罰しないアメリカ政府は、
   杜撰(ずさん)でした。
 
   日本も、小栗忠順と
   三井の番頭の三野村利左衛門が、
   つるんでいましたので、
   通貨の改鋳前に、
   三井は、小判を買い占めて、
   大儲けをしたと、言われています。
 
   
貨幣の改鋳は、すでに元禄時代の勘定奉行の、
荻原重秀が、小判の金の質量を下げて、
大儲けをしています。
 
彼の言い分は、
どうせ、幕府が額面を保証するのだから、
紙や瓦で、貨幣を作ろうが、何で作ろうが、
幕府の勝手であると。
 
それなら、もっと金の量を減らして、
額面を保証すれば、良さそうなものですが、
そこまでは、実行していませんから、
具体的な保証の仕方に、
彼自身が、納得していなかったはずです。
 
現在は、どうですか。
 
わたしの青年時代に、
金とドルの交換停止を、
アメリカ政府が発表したので、
ニクソンショックやドルショックと、
言われました。
 
それまでは、1万円札という紙っぺらを、
アメリカ$に交換すれば、
純金との交換を、
アメリカ政府が保証していました。
 
金とドルの交換比率は、1オンス=35ドルの、
固定相場でした。
 
金貨そのものが、
それだけの重量の純金を、
含んでいましたから、
紙幣も、その額面の金貨と、
交換できることを、
政府が保証していただけです。
 
 
   江戸時代の幕府も、同様ですが、
   貨幣改鋳により、
   金貨(小判)の金の量が減れば、
   より少ない銀との、
   交換になりますから、
   勝手に小判を吹き替えても、
   萩原重秀は、
   1両という小判1枚の単位の意味を、
   変更しただけにしか、なりません。
 
   実際は、金銀の正味の量を計り、
   金銀の地金として、
   取引されましたから、
   貨幣改鋳は、
   名称の意味を変更したのに、
   同じ言葉を使っているだけの、
   同音異義語により、
   人を騙(だま)そうとする魂胆でした。
 
   頭の悪い人は騙される、というよりも、
   改鋳の情報を知らない人が、
   騙されました。
 
 
それでも、まだ、欧米よりも、
日本の金は、1/3の安値で、
銀は3倍の高値でした。
 
欧米の銀を持参して、日本の金を買えば、
得をします。
 
日本の小判を、上海で売れば、
3倍の値がつきますから。
 
このことから、大量の金(小判)が、
海外に流出したと、されます。
 
貿易専用の銀貨(安政二朱銀)を
発行していますから、
外国の銀貨を、安政二朱銀に、交換しても、
小判に両替できなかったと、思います。
 
欧米人は、小判を入手して、
棚ボタの儲けを得るために、
外国の銀貨を、
日本で流通している銀貨に交換することを、
要求しました。
 
日米修好通商条約では、
銀の量に応じて、
外国の銀貨を、日本の銀貨に交換すると、
取り決めていますが、
幕府が、どこまで応じたかは、わかりません。
 
ハリスが、大量の不労所得を得たことは、
彼の日記に、記述されているそうですから、
もしかしたら、ハリスと、その周辺の、
個人的な利益のために、
彼らが、アメリカ合衆国の軍艦を使い、
日本政府(幕府)を威嚇していた可能性を、
否定できません。
 
小栗忠順が、フィラデルフィアで、
貨幣の分析のために、予定外の1日を加えて、
昼食にホテルに帰ることもなく、
分析の現場を離れずに、
通貨の交換レートの問題を訴えたのは、
ハリスを含むアメリカ公使館の不正を、
アメリカ政府に伝える目的であった可能性が、
高い。
 
 
   日本は、鎖国中も、
   清と貿易していましたから、
   世界の貿易慣行を、知っています。
 
   貿易商が、貨幣の交換レートを、
   知らないはずがない。
 
   ハリスの条約では、
   欧米の銀を持参すれば、
   それだけで、
   自動的にポロ儲けができます。
 
   日本に来るアメリカ人は、
   限られていますから、
   その人達の私腹を、
   無尽蔵に肥やすために、
   アメリカの軍艦により、
   日本を恫喝したようなものです。
 
   事実上の
   プライベートな略奪戦争ですが、
   一部の人の私腹を肥やすために、
   アメリカ合衆国という国家が、
   ほんとうに、軍艦を使い、
   日本を脅したのかと、
   アメリカ政府と市民の意思を、
   直接に確認する必要がありました。
 
   もしかしたら、
   現場の、ハリスや軍人や貿易商などの、
   当事者たちの
   独断による背任の可能性がある。
 
   自分たちだけで、
   利益を山分けしようとしたのかも
   知れない。
 
   
小栗上野介は、それを確かめました。
 
新見正興、村垣範正、小栗忠順などの、
万延元年遣米使節は、
フィラデルフィアの分析結果から、
簡単に、議論に必要な計算を、済ませて、
左うちわで、笑っていたそうです。
 
アメリカの造幣局の役人は、
1時間も、かかっていたとか。
 
日本人は、
算盤(そろばん)を持参していました。
   
さて、脳みその仕組みは、
算盤と同じであると、書くために、
ほんの入り口のところで、
長々と書いてしまいましたので、
続きは、後日にとって置きます。
 
算盤と脳みそは、何が違うかと、
見れば、すぐにわかるのですが。