日本では、この花を、時計に見立てますが、
欧米では、
キリストの磔(はりつけ)になぞらえて、
Passion flower と、言います。
 
パッションは、小文字で書くと、
色情や情熱のことですが、
pを、大文字で書いたり、
The Passion のように、The を付ければ、
キリストの受難を意味しますので、
具体的には、
磔(はりつけ)を指(さ)します。
 
ラテン語の passio は、
suffering(苦しみ) の意味ですので、
キリストの受難のほうが、語源に忠実です。
 
自分で、自分の意思を、創作する能力が、
人間の個体にありませんので、
昔の人は、人間の意思や感情を、
天や神や運命などの、
肉体による受け身の表現と、感じました。
 
つまり、人間の個体は、
スピーカのような端末器にすぎず、
神さまが発した意思を、脳が受信して、
身体が、感情を表わしますので、
情熱は、激しい受け身の意思です。
 
キリストは、磔にされたことにより、
それを表現しましたので、
Passionは、受難や苦難です。
 
現代人は、
受信器としての、人間の個体の機能を、
理解できませんので、
passion は、ただの個人の、
情熱や色情や偏執などと、言われます。
 
近世には、地動説が、宗教裁判により、
ジョルダーノ・ブルーノ(Giordano Bruno)
のように、火炙りにされましたが、
近代のロマン主義は、その仕返しのように、
人間の個体の言動を見て、
神の意思の受信を知る考え方を、
徹底的に弾圧しました。
 
ナチスによるユダヤ人虐殺が、それですが、
ヒトラーは、キリスト教徒の絶滅に、
踏み切れませんでした。
 
ロマン主義の精神的支柱の精神医学は、
宗教によるものを除外するとして、
キリスト教を、
精神病と診断しませんでしたが、
ヒトラーは、
宗教の庇護から、ユダヤ人を除外しました。
 
マルクスレーニンの共産主義も、
ロマン主義の花でしたが、
キリスト教を無視するのが、精一杯でした。
 
日本は、キリスト教の力が弱く、
宗教の庇護を受けませんので、
個人の身体を、
受け身の受信器のように、感じる人は、
精神科医により、精神病と診断されて、
ただちに、強制的に隔離監禁されますので、
抗精神病薬の被害を免れずに、
見つかれば、2週間後に必ず廃人になります。
 
精神医学は、ロマン主義の核心ですので、
キリスト教と同様の考え方が、バレれば、
キリスト教の庇護がない限り、
強制的に人格を破壊されて、間引かれます。
 
裁判のない非公開の処刑です。
 
もちろん、日本国憲法も、
純然たるロマン主義を掲げています。
 
時計草を、パッションフラワーと言い、
キリストの受難を表わす花と見るのは、
日本で言えば、ホトケノザを、
台座付きの仏像の立ち姿に、
なぞらえるようなものです。
 
時計草は、
子房が十字架で、雌しべがキリスト、
雄しべが釘で、巻きひげが鞭とか。
 
 
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