昨夜は夜中に下山して帰宅
帰宅は日付変更線を超えて夜中の1時過ぎ

はい……私、夜な夜な山歩きをしてました……

登山開始は午後3時過ぎから…
日暮れまで登山を続け
日没後の下山となりました……
バカじゃないの無謀ですよね……

死なないための登山術

登山は万全の準備を行っても
自然が相手なので100%安全と言い切れない訳でして…
その要因は自分であったり
環境であったり
一緒に山を登る相手であったりと
遭難の起因は様々……

そんな訳で
昨夜は登山中に日が暮れそうを想定して
ビバークするのか下山をするのかタイミングも早く把握する為の実技講座でした

主催は山岳舎BEAR代表の佐久間さんの講座でした


午後3時過ぎに旭岳の麓より
ロープウェイの到着する駅
姿見まで登山開始です
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お花を見たりフワフワのワタスゲを見たり
日暮れになるのを待ちながらの登山なので
ゆっくりゆっくり登ります

今日は旭岳で夕焼けが観れるかなかな~
的な割りと軽い気持ちでの参加


幾度か下から登った旭岳ですが…
山に雪が残るこの時期は幾つかの川が
登山道を横断します

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川が流れているうちは良いのですが
私が登った数年前は川は枯れた状態でした……
さてこの川は夜になると、どう変わるのでしょう…

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向こうの山に見えたウナギの雪渓は
ポン化雲の山です


17:18  姿見に到着です
夕焼けは……雲が厚く多すぎて望めそうにありません
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旭岳姿見駅では早い夕食を取り
日暮れを待つまで佐久間さんとディスカッション
午後6時に裾合平分岐手前の見晴台まで歩きます


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この時期決っして多くは無い花々が咲き
湿り気を帯びた冷たい空気がやがて
花達の明日への雫に変わりつつある時間……



昨年、佐久間さん主催の登山道整備を行った場所に差し掛かりました
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近自然工法により
登山者が歩き易い様に段差を低く工作しましたが
しっかりと残っていて
何かしら胸の奥からジンジンとこみ上げるものを感じました

この登山道を、どれ程の方々が踏み締めて行ったのかぁ(^_^)
この登山道整備のツアーは今年も9月6日に
山岳舎BEARさんで再び開講されます
たまには山に恩返し
参加して得る事が多く損はしませんので
是非、都合の合う方は参加してみて下さい

昨年の記事↓



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PM18:58着
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さて分岐手前の見晴台に到着
ここで数分、日暮れを待つ間
佐久間さんより質問が


さあ……日が暮れます
先ず最初に確認する事は何でしょうかはてなマーク

下山に要する時間……
残りの余力……
装備……
色々な答えが参加者より出ましたが


実は日が暮れてしまい
予定下山時刻より遅くなる訳ですね……
ビバークするのか下山を開始するのか
家族への連絡が最初です

心配した家族が警察などに連絡をすると
それは=救助要請となり
その瞬間から私達は遭難者になる訳です

そうなのです
遭難とは山に居る本人が決める事ではなく
待っている人達が届ける事により本人達の自覚とは
全く関係なく発生する事も有るのです



本人達は元気もあり下山をしていても
家族などから救助要請が入れば
もう遭難者なのです

そう民間が動けば請求も発生する訳です




……チョット待って?

仮に私が負傷して助けてくれた人も
遭難者になるのですかはてなマーク
そう質問すると

立場は関係なく救助要請が入ったパーティー
全ての人が遭難者となり民間のレスキューが動けば
全ての遭難者に請求が発生するのです
条件は全く関係有りません……



えええええーーー!?

じゃあ元気のある方は助け損⁉︎
山で性格悪くなりそう……
助け損ですかーーー(T . T)

でも命より優先されるものは有りません
仕方無いですね……
但し助ける事により自分の命の危険が迫る場合は
自分の命が優先されます

日暮れ前には色々なリスクが発生する訳ですね
携帯の電波状況もキャリアによっては
場所、気候によって繋がり辛くなり状況は刻々と
変わります

他の登山者にお願いして
連絡してもらう場合もしかり
電波の繋がり易い場所まで歩くのも良し
余力が有るなら未だましです
仮に緊急を要する場合はどうするのか……

早めの状況判断とともに
ビバークするのか
下山をするのか
それも何処まで下山するのか
(電波が通じる場所まで…など)
同時に考えねばなりません
7月19日この日の日没後の旭岳麓の気温は14度でした
歩いてる分には暑い程でしたが
歩かないとなると体は冷える気温です

ビバークするにもツェルトや一晩過ごす非常食
防寒着など無い場合はどうしますかはてなマーク

では実際に日没後の下山を体験してみましょう
日没後、電波も通じやすい旭岳の避難小屋を目指して下山開始です




この日の日没は午後7時5分頃
↓日没後間もなくは未だ山蔭も見え明るい状況ですが
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画面中央にある✖️印の付いた石
実は枯れた沢で夏場の昼間に間違えて
沢を下って道迷いになった果てに死亡者が出た場所だそうです…✖️印も、その後に記されたそうですが
ライトをあててやっと見えた印でした
旭岳の登山道には、この様に枯れた沢でしかも昼間に命を落とされてる方が少なく無い様です



避難小屋へ着いたのは
真っ暗な8時20分頃……
空には沢山の星が瞬いてました


再びの下山は今までの平坦な道とは違う
足場の悪い下りです
岩も有れば大きな段差も有ります


下山開始は8:44分
自分の点けるヘッドライトの明かりだけが
頼りです
視界は極めて狭く遠近感も分かり辛い状況です

足場にばかり気を取られるので
登山道全体の把握を見切れない場合も多くなります
飛び出た枝に気が付かず
頭や顔面を打つかもしれません……
自分で想定してた以外にリスクは大きいものでした


そんな時……枯れた川に沿って降りてしまったら、それこそ道迷いの始まり
視界が狭いと下山のリスクは通常の倍以上になるのでは無いでしょうか

足元も悪いので何時も気を緩める事が出来ず
長時間の足元への集中力を要します
この時点でも昼間の登山時と目線が変わって居る訳です
枝につく目印のピンクリボンなど目にする確率は
ほぼ無かったと思われます
いつの間にか
私を含めガイドさんも他の参加者も
声を出さなくなり
暗い山の中
鈴の音と歩く音……後ろの人の息遣いしか
聞こえ無い緊張状態が続きます



登山時見えた川も水が流れているので
誘導されず沢沿いに降りずに済みましたが
川が交差してる場所もあり
川が枯れてたら……気持ち的に誘導されて
降りてしまうかもしれません
だって昼間ですら道迷いで命を落としてる人が居るのですから……

もしアレはてなマークおかしいな……
間違えて歩いて来てしまったかな…
この時点で既に道迷いの始まりなのです
気がつけば先ず場所を確認する事です
元の場所が分かれば元の場所まで戻る事も必要ですが
でも暗いので景色も見えませんよね…
どうすれば
こんな時こそ地図とコンパスです
携帯のGPSでも良いかもしれませんが
木に覆われてるとGPSも正確な判断をしずらくなると聞きます

取り敢えず私なら高度を確認します
高度から現在地を探し
その地図の場所にコンパスを置き
地図の磁北線(地図に示されてる経度に合わせて引いた線)を合わせます
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そして地図で示す進むべき方向をコンパスのダイヤルを回して外矢印とを合わせます

後は磁針が矢印からはみ出ない様に進めば
ある程度コンパスの外矢印が示す進むべき道の方へ
行けるのです

ただ……暗い中での
この作業も細かい地図を読み取るには困難でしょう……

今回はガイドさんが先頭を切って歩いてくれるので
少し目線を上げれば進むべき方向が分かり楽でしたが

集中力なんて、そうそう長く続きません
若い20歳前後の方で90分が限度
集中力の周期は15分程だとも聞きます

なので張り詰めた集中力が切れると
足元がオゴつかなくなり
滑りやすい状態に陥る事も体感出来ました

今回は講座なのでそれでも未だ気持ちに余裕が
有ったのだと思いますが
これが本当の夜の下山だったら…神経がピリピリする中での集中力です……
考えるだけでも怖いですね……







旭岳を無事に下山出来たのは深夜の10時53分
下山なのに、ゆっくり登った登山時間とほぼ
変わらない時間を取られました……
それでも旭岳を知り尽くしたガイド佐久間さんの
引率によりの時間ですから
慣れない人や
初めて訪れた人なら…どの位の時間を要するのでしょう
因みに私は昨年、別の山でご来光を求めて夜明け前に登った事が有りましたが
目線が上になるか下になるか
また目的も、全く違う事からも
疲労感が全く違う事も分かりました




下山中も小さなライトの光だけを見ていたので
かなり神経も使い眼精疲労的な感じになり
それはそれは昼間の下山とは比べものに無らぬ程の
疲労困憊でした……

さあ……貴方は登山時
どれ程の準備をされてますか
絶対安全……といい切れますか


判断をするのも備えるのも
あなた次第です………………


今回は二度と参加もしたく無い程の講座でした
勿論、得た体験は私にとって
かなり貴重な体験で何か有った時の判断力の
一として力強いものを得る事ができました









翌日は登山を考えてましたが……
自宅に着いた時には既に翌日の登山は執着し無い事に
シフトチェンジした程に体力より
精神面のダメージの方が来てましたね……



日没後にビバークや
山を歩か無いで済む様に自分の技量や
また一緒に歩く人達の事を再度考えさせらた講座にもなりました