前回もお話させていただきましたが、形の学びは、折り紙やブロック、積み木など、子どもたちの大好きな遊びの中にあります。

これらの遊びを通じて、子どもたちの空間認識力や見えない物を想像する力が養われていくのです。

 

今日は、知育の代表的な素材である折り紙を使い、『平面図形』の学び方をご紹介したいと思います。

折り紙は形の学びを獲得できるほか、手指を動かすことで脳の発達を促すなど、知育には欠かせない物です。

『どんな形かな?』では、折り紙を使って、簡単な「切り紙」を行います。

どんな形になるか予測する

 

「切り紙」とは、折り紙を「折って」「切って」「開く」という作業によって、模様(形)を作るものです。

 

折り紙を二つ折りや三つ折りにして、適当にはさみで切込みを入れて開くと『線対称』(1つの直線を折り目にして折ったとき、ぴったり重なる)の形になります。
『どんな形かな?』は、開く前の切り込みを入れた段階で、「どんな形になるか」子どもたちに予測させるゲームです。
 
慣れてくれば、逆に、既に出来上がった切り紙を見せて、「どんな風に切ったらこの形になるかな?」と想像させることもできます。問題を解くときは、見えない場所や完成図を予想しなければなりません。そのため、想像する力や論理的な思考力が養われることになります。
また、問題を自分で作るときは、はさみを使うので巧緻性も高まります。
 
シンプルなゲームですが、子どもたちが熱中しやすく、繰り返すことで「線対称」や「形」の概念が自然と獲得できるようになります。
 
次に具体的な実践方法をご紹介します。
 
いきなり難しい形にするのではなく、先ずは簡単な物から取り組み、「やってみたい!」という気持ちを引き出すようにしてください。
 
折り紙を半分に折った状態から始めます。

その角を全てに切って開いた形を見せます。「半分にしてここを切るとこういう形になります。」と子どもたちに見せてルールを確認します。

切る前、切った後で比較してみる
 
事前に用意した展開前、展開後の切り紙を複数見せて、「どれとどれが同じ切り紙でしょう?」と聞いてみましょう。
また、「どうしてそう思うの?」と1ずつ理由を聞いて、その後、実際に紙を開いていき、答え合わせをしていきます。
 
徐々に折る回数や切る回数を増やしていく
 
半分の状態で1カ所を切った折り紙の変化に慣れてきたら、折る回数や切る回数を2回、3回と増やしていきます。
さらに、展開後の切り紙を見せて、「この切り紙と同じ形になるように折り紙をきれるかな?」と問題を発展させていくことができます。
 
作品作りから片付けまで行う
 
子どもたちが作った展開後の切り紙は、気に入った台紙を貼って作品として飾ることができます。
切り紙で出たゴミをきれいに片づける事も忘れずにしましょう。
 
最初は、難しく感じるかもしれませんが、「2つに折って切ると、2カ所が切れてるね」など、声をかけ『法則性』を意識させながら繰り返すことで、子どもたちはどんどん法則を学び、想像力高めていきます。
 
また、七夕や、ハロウィン、クリスマスなどのイベントと組み合わせて切り紙をつくると、よりいっそう楽しめると思います。
 
次回は、『形』の力を高めるもう一つのおすすめ。『なぞり書き』と『塗り絵』の効果についてお話させて頂きたいと思います。

                                   知育インストラクター 本間 美奈子