「形」は、空間を意識し、見えない物を想像する力で構成されています。
実は形は幼児期には最も身近な物。形の要素は、子どもたちが大好きな遊びの中にたくさんあるからです。
例えばパズルや折り紙は「平面図形」。ブッロクや積み木、粘土などは「立体図形」です。
これらの遊びを通して、子どもの「図形感覚」が養われます。
また、形や空間、位置感覚への認識を促すツールとして、お手本を見ながら、紙に描かれた点と点を結んでいく「点つなぎ」や、「点図形」があります。
見本通りに点と点をつなげるには、見本の「位置」を正しく認識していなくてはなりません。
図の位置と形を一時的に記憶する必要もあるので、記憶力も鍛えられます。
さらに、正確に写そうとする作業は、集中力を養い、単純な写し間違いを防ぐ練習にもなりま
す。
図形の練習で文字や絵も上達する
「形」の力を養う「○△□◇+×」
○ 下から上へ描くこと。これがきれいに描ければ、曲線を使った形や文字も、問題なく描
けるようになる。また、○は絵を描くときの基本でもあり、人の顔もしっかり描くことが
できる。
△ 幼児に三角を描かせると、右下部分が下がり気味になり、いびつな三角になってしま
う。きれいに描くにはバランス感覚が必要だが、幼児期からしっかり描く練習をするこ
で、バランス感覚が身につく。
□ まっすぐな線で、縦横の線がくっつく角には隙間がないように描くこと。
これができれば、漢字のくにがまえなどもしっかり書けるようになり、バランスのよい
字を書くことができる。
◇ ひし形はバランスが整わないとひし形に見えない形になってしまう。
線のバランスが崩れると、いびつな○のような形になるので、ひし形を描く練習は、
空間認識力も養う効果が期待できる。
+ 線の引き方によっては、等間隔にならず、長かったり短かったりしてしまう。
空間認識ができていれば、真ん中はどこか把握できるので、きれいな+が描けるよう
になる。また、漢字の基礎でもある。
× +と同様、空間認識力があればいびつにならない。+よりも、斜めの線を引かなくて
はならず、鉛筆をしっかり持って曲がらないように意識することが必要になる。
「○△□◇+×」は文字や形の基礎で基本。繰り返すことで、文字を書く際の手の動かし形も
覚えることができます。
次回は、積み木や折り紙を使った「形」の学びについてお話させて頂きたいと思います。
知育インストラクター 本間 美奈子