前回は、幼児期に、身近なものや遊びを通じて、数字に触れる機会を作ることで、「正確に数える力」を養っておけば、小学校に入ってからも、算数に苦手意識を持たない子にそだってくれると言うお話をさせて頂きました。

今回は、数字を使った具体的なゲームをご紹介したいと思います。

何匹いるかな?

 

このゲームは、2種類のカードで数を数え、比較します。

 

準備する物は、2種類の絵の書かれたカードを合計10枚以下になるようにそれぞれ用意します。
例えば、犬のカード4枚、猫のカード6枚です。
この時カードの絵は、お子さんが好きな物や、興味がある物を用意するとよいでしょう。
 
まず、好きな数のカードを机の上にバラバラにおきます。
犬のカード3枚、猫のカード5枚にしてみましょう。
その状態で「猫は何匹いるかな?」と問いかけます。
この時子どもたちは、バラバラのカードにどちらの絵が描かれているか意識しながら数えるため、頭を働かせます。
その後、「どっちがたくさんいるかな?」と聞けば、『多い、少ない』といった数量の学びになり、カードを1列に並べて「右から3番目はどちらかな?」と聞けば順番を数える練習になります。
『何匹いるかな?』は応用範囲の広い知育ゲームです。
 
次にこの『何匹いるかな?』の応用編です。

物語を使った応用編

カード使った『何匹いるかな?』の応用編として、物語にして数の変化を聞く方法もおすすめです。
「机の上にみかんが5つあります。みきちゃんが3つ食べました。残りはいくつでしょうか?」といった具合です。
 
おやつの時間は、数字を意識させるとても良い機会です。
お友達が遊びに来て4人いたとします。
「ここに、クッキーが20枚あります。みんなに同じだけあたるように、分けてね。」と言ってみると、割り算なんてまだ知らない子どもたちが、一生懸命数えながら分けるでしょう。
「5枚あったクッキーが、3枚食べたら何枚残ってますか?」と聞けば引き算を知らなくても数える事で答える事ができるのです。
 
幼児期は『計算』ではなく、『数える練習』をしましょう。
どうしても数えるのが苦手な子は、指を折って数える方法を教えるのも一つの手です。
子どもたちが数字嫌いにならないように、興味の対象を探り、家庭にある身近な物から数えてみましょう。
幼児期から『数のおもしろさ』を感覚的に分かっていれば、算数嫌いになる心配はありません。
そしてもうひとつ。前回もお話させていただきましたが、数えるときに正しい単位(助数詞)で数える事を意識しましょう。
 
次回は、空間を意識し想像する力についてお話したいと思います。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
 
                             知育インストラクター  本間 美奈子