説明の基礎を楽しく身につける

ある程度単語を覚えてお話ができるようになったら、子供自身が、単語を使って文章を作り、相手にわかりやすく伝える事ができるように、『3ステップ・ストリー』という練習をおすすめします。
 
会話の基礎としてよく取り上げられるのが、『5W1H』です。
『いつ(when)』『どこで(where)』『誰が(who)』『何を(what)』『なぜ(why)』『どのように(how)』
これは、相手に伝わりやすい文章をかいたり、分かりやすい説明をしたりする際に、心がけるべきフレームワークだとされています。
これらは、伝える情報の『幹』になるものです。会話の中には『枝葉』の情報も多く、話す方も聞く方も枝葉にとらわれるとコミュニケーションに齟齬が生まれます。
『5W1H』を守る事は、実生活でも大切にしたいことです。
このとても大切な力を楽しく身につける事のできるトレーニングが『3ステップ・ストリー』です。

絵本を使ったトレーニング

絵本の中から例題になりそうな部分を見つけます。
例えば、「クマさんが木に登って、ハチミツをなめている。」というシーンがあれば、その例題を分解して質問してみます。
「木に登っているのは誰かな?」「クマさん!」「クマさんはどこにいるの?」「木の上!」
このような流れです。
絵本の中の他の要素を取り上げても良いでしょう。
例えば、太陽が出ていたら「今は朝かな?夜かな?」といった具合です。
この過程を繰り返し練習して慣れてきたら、絵本のワンシーンを説明してもらいます。
もし難しそうであれば、「どこで、誰が、何をしていますか?」と、『5W1H』を意識して問いかけます。

オリジナルストーリーを作ってもらう

絵本のトレーニングに慣れてきたら、子どもにオリジナルストーリーを作ってもらいます。
「5W1H」に当てはめられる3枚の写真や絵を用意します。
例えば「ウサギ」「畑」「にんじん」です。
『ウサギが、畑でにんじんを食べています』となりますが、正解はひとつではありません。
お子さんの想像力次第でとても楽しいストーリーが出来上がります。
出来上がったストーリーが、空想のお話でも良いのです。ただ大切なのは『きちんと筋の通ったお話を』作ることです。
『にんじんさんが、畑でウサギさんを待っています。』は筋が通っていますが、『畑がにんじんさんにウサギさんをあげました。』のような文を作った時は、否定するのではなく、「誰があげたの?」「何を?」と、分解して質問してあげて、お話を完成できるように促してあげましょう。
 
何をするにも大切なのは、お子さんが楽しいと感じているかです。
子どもが作ったお話に相づちを打ったり、繰り返したりすることで、子どもの事を認め、話すことへの自信を育むようにしましょう。
お話作りでは作文力、お話を聞いて答えるのは読解力につながります。
とても大切な力なので、受験のテスト問題としても取り上げられています。
楽しくトレーニングして身につけたいものです。
 
次回は、楽しみながら数字に触れる方法についてお話出来ればと思います。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
 
知育インストラクター 本間 美奈子