シングルマザーの里里の元へ、疎遠にしている
母親からぶ厚い封筒が届く。
五十鈴加寿という女性が戦前からつけていたと
いう家計簿だ。
日記のような独白に引き込まれ読み進めるうち、
加寿とは、男と駆け落ち自殺したと聞く自分の
祖母ではないかと考え始める。
***
最初は誰だか分からない五十鈴加寿
という女性の家計簿と日記。
だんだんと分かっていく。
どの時代も女性が働くことは難しい。
戦中、戦後の動乱期の苦労が分かる。
貨幣価値が変わるなんて今では考え
られない。
どんな状況でも人々は生きてきた。
現代だって大変なのはわかるけど、
この頃と比べたら幸せかもしれ
ない。
ものが多すぎて、いらないものも
必要だと思ってしまう現代。
昔の生活を知るのも大切なのかも
しれない。
文章に書いたからといって、
本当の自分の気持ちと同じかと
いわれると、違うときがある
かもしれないと思った。
人の心は揺れ動く。
見ていただき
ありがとうございました。