ボストンに来てから早一月が経った。近頃では、一日中部屋やオフィスに籠ったまま誰とも会わない日があったり、いつまで経っても英語が全然上達しなかったりと、当初思い描いていた生活とはやや異なる日々を過ごしている。出張当初自炊を頑張ろうと、味の素やオタフクソースを持って行っていたのだが、封すら開いておらず、ジャンクフード尽くしの毎日である。また、運動もまるで行っておらず、体力の低下が著しい。明日剣道をする予定なのだが、不安で仕方がない。最近の楽しみといえば、Youtubeで最新の阪神タイガースキャンプ情報を収集することである。

そんな毎日であったが、先週妻が日本からボストンにやってきた。9日の金曜晩に到着し、13日火曜日の朝に帰るという結構な強行日程ではあったが、久しぶりに一日中誰かと一緒にいるという生活を送ることができた。実は妻は私がボストンに行った直後、腎炎にかかってしまい、1週間程度入院するという憂き目にあっていた。当初39度程度の熱が続いていたものの、何とか1週間で回復して退院出来たのだが、今回ボストンに遊びに来る直前2日前にまた高熱を発症してしまった。正直、「あ、もうこれ来られへんやつやん」と思ったものの、何とか病院で点滴を打ち、抗生剤をもらって1日で回復、お医者さんにも一応行ってもいいよとお墨付きをいただいて渡米することが出来た。妻は英語はあまり得意でない上に、トランジットをあの悪名高いロサンゼルス空港(https://matome.naver.jp/odai/2150207553103119701)で予定しており、尚且つそんな体調不良だったので、ボストン・ローガン空港で無事に合流出来たとき不覚にも少しうるっとしてしまった。

ボストン観光としてはMITやら水族館やらフリーダムトレイルやら行ったのだが、一番行きたかったMFA(Museum of Fine Arts)がやはり圧巻であった。美術館って教養が無ければ楽しめないように思えて、日本でも余り行かないのだが、MFAでは何だかわからないけどすごい、という感覚を覚えた。MFAは世界中から美術品が集められており、地域ごとにエリアが分けられている。日本の芸術品も多く所蔵しており、水墨画や大仏、重箱なんてものも展示されていて、日本の芸術が世界でも評価されていることを実感した。また、MFAでは今回村上隆さんの特別展が行われており、運良く見に行くことが出来た。村上さんの作品で私が知っていたのはゆずの「また会える日まで」のジャケットぐらいで、ゆるキャラの先駆け程度にしか思っていなかったので、こんなに世界で評価されている、というかこんなに色々な作品があるんだと知って驚きであった。一番かっこよかったのは曾我蕭白(そが しょうはく)の「雲竜図」(https://matome.naver.jp/odai/2143226409218949101)を赤絵の具で壁一面にアレンジした作品。単純にでかい絵っていうのはそれだけで圧倒される。背景を知らなくても作り手の情熱が伝わってくるのを感じた。端の方に日本語でメモ書きが書いてあったのも、日本人にしかわからないように書いてくれているみたいでテンションが上がった。

さて明日は40日ぶりくらいの剣道である。1か月以上運動しなかったらどういうことになるのか、自分の体でしっかりと確かめたいと思う。