もっともっと狂っていた時の方が、よっぽど生きやすかった。
周りに誰もいないけど、でもうさの分身たちで護られている。
誰にも踏み込まれない、7人と1匹だけのお城。
うさが本を読んでいる横で秋蘭がゲームをしていて、ちょっと離れた場所で子供のうさと美鈴が遊んでいるのをマコトが見守っているの。
キッチンで桜子がごはんを作っていて、クロに餌をやりながら昨夜も待っているの。
僕らは家族で輪切りの個人。
うさが落ち着いたのと、みんなが話せそうな人がいないから、全員一致でうさがひとりで生きていくことに決めたみたいだけど、辛いことがあるたびに、これは罰なんだって思う。
落ち着いた生活の代償。
うさだけが生きる喜びを味わってしまっているから、みんな怒ってるのかなぁ…
ごめんね。
みんなだって、主人格になりたかったよね。
うさたちは永遠に家族だよ。
だから、外に出る喜びを感じたかったら、出てきていいよ。
歓迎してくれる人は誰もいないけど、誰もが半信半疑な存在なのがうさたちだから。
首の上には顔面しかなくて、頭の中は真っ黒なんだ。
布団の下から手が伸びてきて、ブラックホールに引きずり込まれちゃう。
Help me ! with my mind.
[]七色兎[]