![エイプリルフールの思い出を嘘でもいいから語ろう](https://stat.ameba.jp/common_style/img/home_common/home/ameba/allskin/ico_kuchikomi2.gif)
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その日は朝から大変だった。
その日は朝から大変だった。
ジリリッと目覚ましが鳴り響き、目が覚めた。寝ぼけながら文字盤を見ると、出社予定ギリギリの時間だった。
「やっば!?」
オレは飛び起きざまにすぐさま着替え、食パンを口にほおばり家を出た。
慌しくもなんとか電車の時間には間に合った。会社がある駅へと揺られながら電車が駅に到着するのを待つ。
(ん?)
乗車している人の中に何かいたような気がしたが、気のせいだろうとそのことはすぐに忘れた。
下車した駅からビルの群を縫っていくと、視界の端にスッと動く何かを見た。
気のせいではなかった。大通りから細い路地へ向っていくと、そこには彼がいた。
「ジュワ!」
ウルトラセブンだ!
人間大の大きさの格好で、彼はそこにいた。彼だけではない、あの容姿ーーダダだ!
自分が見ている光景が信じられなかったが、なにやら嬉しいモノがこみ上げた。
それと同時に、(特撮の撮影か?)とも思ったが、スタッフやカメラはいなかった。
セブンはダダと交戦していた。光線を放ったりもしていて、ムワッとした熱気が漂う。
これが現実なんだと実感する。
すると、ダダがこちらに気づいた。(やばい!)と思ったが、遅かった。
ダダはオレを人質にしてセブンから後ずさった。
このままセブンから逃げる気だ。
オレはダダに気づかれないように、持っていたカバンから念のために入れていた催涙スプレーを取り出し、隙をついてダダの顔面に噴射した!
ダダはオレを突き飛ばし、顔を覆いながら転げまわった。
セブンはこの気を逃さなかった。転げまわるダダを捕まえ、フルボっコだ。
戦意を無くしたダダが、セブンとオレに土下座しながら謝っているようだった。
セブンはオレの方を向き、手を差し出した。オレはがっしりと握手した。
「ありがとうセブン。ーーいや、ダン」
セブンはうなづくと、ダダを連れて飛んでいった。
オレはそれを見送った。
「あ」
まあ、遅刻したのは言うまでもない。