中国“共産主義テロ”に備えよ! 日本にも巧妙な“トロイの木馬”が潜入 世界で「体制転覆作戦」仕掛ける左派過激勢力   危機意識を忘れた日本はまるで鶏小屋だ!オオカミが入って来ても右往左往するだけ‥

ただ死を待つのみ。 

2020.7.5   夕刊フジ(産経新聞)より ⇒ 

       
中国による「国家安全維持法」が施行され、香港の「一国二制度」は崩壊した。

 

    

国でも反人種差別デモに便乗した左派過激勢力の影があるなど、反民主主義勢力が世界で蠢(うごめ)いているとみるのが国際投資アナリストの大原浩氏だ。

緊急寄稿で大原氏は、こうした共産主義による体制転覆作戦を仕掛けられているのは、日本も例外ではないと警告する。
香港の「一国二制度」は、東西冷戦時代の「ベルリンの壁」のように頑丈なブロックで建てられているわけではないが、「見えない壁」として機能していた。

国家安全維持法施行でこれが崩れ、世界中に激震が走った。
 旧東ドイツにあった「ベルリンの壁」は、東欧国民の民主化を求める大きなうねりの中、偶然が重なって崩壊したが、それまで西ベルリンは「西側自由主義陣営の飛び地」として機能していた側面がある。

つまり反民主主義(共産主義)の喉元に刺さったトゲのようなものであったのだ。
共産主義中国において香港は、経済的な利益の源泉であるとともに、西ベルリン同様、西側民主主義陣営の飛び地として機能していた。
港で一国二制度が制定されたときは、「中国も豊かになれば民主化する」ということが前提だった。

英国をはじめとする先進諸国は、50年の間に「中国大陸が香港化」すると考えており、「香港が中国大陸化」するなどと考えもしなかった。
つまり、香港が共産主義中国の中での「トロイの木馬」の役割を果たし、中国大陸を民主化する作戦であったのだ。
現在、死に物狂いで香港を叩き潰そうとしている中国共産党の姿を見ると、中国大陸に「自由の風」を吹き込む戦略は、ある程度成功したように思われる。
しかし、反民主主義勢力による「トロイの木馬作戦」はもっと巧妙だ。
ベルリンの壁崩壊後のドイツ統一では、西ドイツが東ドイツを事実上吸収したが、現在は「親中派」とされるメルケル首相が長期政権を続けている。メルケル氏は西ドイツで生まれてすぐに東ドイツに移住し、ベルリンの壁崩壊まで、徹底したマルクス・レーニン主義教育を受けた。旧東ドイツおよび共産主義諸国の「トロイの木馬作戦」ならば、「大成功」だといえる。
一方、米国では、白人警官に首を圧迫されて黒人男性が死亡した事件をきっかけに大規模な抗議行動が続いている。米国で差別問題の解消が必要であることは確かだ。

しかし、この差別問題も、「トロイの木馬」として利用されているフシがある。差別の解消にはつながらないと考えられる商店からの略奪や、歴史的建造物への放火、破壊といった暴力的行為が蔓延(まんえん)する背景には「ANTIFA(アンティーファ)」などの左翼過激勢力の存在があるとされる。
米国に侵入した「トロイの木馬」にすれば、新型コロナウイルスの惨劇で弱っている現在の米国は格好の攻撃対象だ。
もちろん、日本にも多数のトロイの木馬が潜入していると思われる。
これまでに日本関連の共産主義・左翼過激派によるテロは、あさま山荘事件、三菱重工ビル爆破事件、よど号ハイジャック事件、テルアビブ空港乱射事件など数え切れない。
特に1972年にイスラエルのテルアビブ近郊都市ロッドに所在するロッド国際空港(現ベン・グリオン国際空港)で赤軍派幹部を含む日本人の共産主義者3人が引き起こした「テルアビブ空港乱射事件」は、世界を震撼(しんかん)させた。当時の日本は共産主義テロの輸出国として世界から恐れられていたのである。
私が90年頃にイスラエルを訪問したとき、現在よりもひげが濃かったため、アラブ寄りの共産主義勢力と思われたらしく、何時間も空港で執拗(しつよう)な質問をされ、なかなか飛行機に乗せてもらえないという目に遭った。

当時イスラエルでは「こんなところにやってくる日本人は共産主義テロリストだ」くらいに思われていたのであろう。
日本も共産主義テロからは逃れることはできないと考えられる。われわれも十分注意すべきなのだ。

           
■大原浩(おおはら・ひろし) 人間経済科学研究所執行パートナーで国際投資アナリスト。仏クレディ・リヨネ銀行などで金融の現場に携わる。夕刊フジで「バフェットの次を行く投資術」(木曜掲載)を連載中。