SALONE TOKYO@日比谷 | 温室メロンの備忘録

温室メロンの備忘録

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サローネ東京を再訪問。先般こちらで仕事関係の食事会があり、店の雰囲気や料理が気に入ったので今日はプライベートで。



前回は個室だったが、今回はオープンフロアにて。それなりに距離が取られていてストレスは感じない。



まずはビールと水、それとノンアルコールのペアリングをお願いする。


フラワリーライチ


ジャスミン茶ベースに、ライチの果実味と、柔らかくローズが香る甘い食前酒。


茹でタコ 2018


オープン以来のスペシャリテ。72℃4分という絶妙の火入れで、生のようで生ではない「暖かい生ダコ」。アサリ出汁と合わせて頂くとうま味が半端ない。オレンジオイルが良いアクセントになっている。


富山県産甘海老 ズッキーニ フィンガーライム


甘海老の下にズッキーニのソテーとピューレ。これらをアサリ出汁とライムを泡立て冷凍にしたものと合わせて頂く。


加えて生ハムのジュレ、マジョラムの香り、噛むとプチッと潰れ、ライムのような爽やかな酸味と香りのフィンガーライム。いきなり複雑に味覚を刺激するイノベーティブ・フュージョン。


トロフィエ・アル・ペスト・ジェノベーゼ


ジャガイモを練り込んだトロフィエがモチモチとして美味しい。似た形状に切られたサヤエンドウと食感のコントラストを楽しむ。ソースはペスト・ジェノベーゼに、ホタテ・ソテーのトッピング。


ペアリングは甜茶ベース。オレンジピール、バジル、塩のカクテル。他店のノンアルコール・ペアリングに比べ主張は弱いものの、舌と脳への刺激が主たる目的だと捉えれば、これもありな気がする。料理も複雑、ドリンクも複雑、脳が混乱するほど楽しんでいる。


タチウオのベッカフィーコ


イワシの代わりに太刀魚を使ったベッカフイーコ。フェネルのシードとピューレ、オレンジゼスト、サフランソースと、魚とパン粉の料理が複雑な組み立てのイノベーティブに進化している。


緑茶ベース。洋梨、レモングラスのカクテル「ポワールレモングラス」と一緒に。


仏ランド産小鳩のアッロースト


メインを小鳩に変更して頂く。胸、腿、あとささ身のペヴェラーダを焼きとうもろこしと。腿肉はメイラード反応が適度で香ばしい。


カカオジンダージリン 


ダージリンベース。カカオ、ジュニパーベリーをくわえてあるそうだ。カカオはよく香る。微かな苦味を感じるが、多分ジン香なのだろう。


タヤリン・アル・タルトゥーフォ



卵黄をたっぷり使ったタヤリンに、発酵バターソース&トリュフのシンプルなパスタ。パルミジャーノが濃く、伺うとヴァッケロッセいう赤牛のミルクから作られたものとのこと。


ペアリングの「大人のコーラ」はほうじ茶をベースにカラメルとスパイスを加えたもの。確かにカラメルのほろ苦い甘みに、香草のスパイシーさが加わり、コーラを連想させないこともない。


食事が終わり、まずはチーズから。



前回と同じくグッファンティ社のチーズ。ウォッシュチーズの味のグラデーションが楽しい。中心に近づくにつれよりミルキーに。右端はサラミではなくイチジクとナッツをドライエイジングしたもの。こちらも前回と同じ。


食後酒はいかがと勧めて下さる。


ヴェッキオ・サンペーリ


興味が湧いたので頂くことに。酒精強化はしておらず、20年間程度のソレラシステムで作られているマルサーラの原型みたいなものらしい。


マルサーラを飲んだことがないので、シェリーと比較するよりないが、ドライなのに円やかで甘みすら感じる。余韻と言うのか、プツッと途切れない。とても繊細だ。これこそ理想的な食後酒かもしれない。良い勉強になった。


白いティラミス


今回は桃とヨーグルトをフィーチャーしたとのこと。掬うたびに違う味が楽しめるのは前回同様。エスプレッソパウダー、マスカルポーネ、サヴォイアルディ、ジビッボワインゼリーと押さえているものの、もはやこれはティラミスではない。まあ美味しくかつ楽しければそれで良いのだ。



最後に小菓子とエスプレッソ。

前回はフルフルで後半結構キツかったが、今回のショートはちょうど良いというか腹十分目。とても楽しい時間を過ごすのにお薦めの良店だと思う。

【補足】
パン用のオリーブオイルはバルベーラのロレンツォだった。No. 1とNo. 5の両方を試してみた。No. 5の円やかさが抜群、No. 1もスパイシーで美味しいが、No. 5の頭抜けたマイルドだけが印象に残っている。


後日No.1を購入。