旧朝香宮邸@東京都庭園美術館 | 温室メロンの備忘録

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蜷川実花氏の「瞬く光の庭」の招待券を戴いていたので訪問する。


あくまで個人的な感想だが、旧朝香宮邸の内装や備品など、数々のアール・デコ作品の格と言うかオーラが凄すぎて、蜷川氏の写真作品にとっては厳しい場のように感じた。



色調の違和感が半端ない。アンリ・ラパンの壁画を覆い隠していることの方に意識が向いてしまう。



背景であるはずのレリーフの力強い躍動感が主役を食ってしまっている。むしろ写真無しでレオン・ブランショのレリーフ作品を鑑賞したい気持ちに。デコと言うよりヌーヴォ。




外の風景を隠してしまう展示は流石にキツい。写真にとっても逆光気味。展示は場との調和が大切だと痛感する。


旧朝香宮邸


前回訪問した時は閉館していたので楽しみだ。



玄関を入るとガラスレリーフの大きな扉が。ルネ・ラリックが朝香宮夫妻のために制作されたものだそう。作品保護のため今は閉ざされたまま。開閉されていた当時に思いを馳せる。



突出した4体の女性像。


特に1階は純アール・デコ様式の粋を尽くして仕上げられているとのこと。


大客室



こちらのシャンデリアもルネ・ラリックによる作品。壁のレリーフも素晴らしい。


香水塔@次室


内装をデザインしたアンリ・ラパンの作品。上部に香水を入れてランプの熱で香り立たせるしくみなのだそう。


大食堂



食堂用の照明はパイナップルと柘榴がモチーフになっている。


大広間




大広間から2階に上がる。




2階はアール・デコに和の要素が取り入れられているらしい。


北の間


何とも豪奢なオーストリアンシェード。


ベランダ


床の市松模様が黒と白の大理石を敷き詰めたものだとは驚き。


本館の見学が終了。新館へ。



新館への通路から見る庭園。今日は雨模様なので庭園見学はパスしよう。


渡り廊下


現代的なデザインのガラスなのだが、ゆらゆら感がレトロガラスを連想させる。意図されてのことなのだろうか。


蜷川実花「胡蝶のめぐる季節」



新館のインスタレーションは素晴らしかった。



先日観たアーティゾンでの写真展でも感じたことだが、アートとしての写真のアイデンティティを探す旅は険しそうだ。



本館の大広間に戻ってきた。玄関にあったドアの裏側。玄関から中に入ると大広間なのだと、ようやくレイアウトを理解する。


【前回訪問】

庭園


デュ・パルク