トルストイ原作 「靴屋のマルチン」 モモタロバージョン | ワンコと長生き "Win・ワン・Won"な Happy Life を!

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ワンちゃんとは毎日、WIN-WIN な関係を過ごしたいですね。I am happy. You are happy. な毎日を。ワンちゃんと飼い主さんが共にhappyな気持ちになる情報を発信していきます。乞ご期待!!

クリスマスの夜を迎えようとしています
イエス・キリストが降誕した日が
こんなに世界中の人々から受け入れられ
お祝いされることがとても不思議です

キリスト教に信仰のある人も
そうでない人も
クリスマスを特別な日として感じている
これは ある意味すごいことですね

ちなみに モモタロは禅宗の檀家です
お仏壇にお線香をあげ 般若心経のお経をあげています

それでも クリスマスは確かに
私モモタロにとっても 特別な日になっています

クリスマスの夜をすごすのにふさわしい話を
もう一つ書いちゃいました

靴屋のマルチンの耳に聞こえてきたメッセージとは・・・

marutinn1

I wish you a Merry Christmas!


☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆


ある国のある村に マルチンという名前の靴屋がいました
マルチンは働き者で 毎日お客さんのために
朝早くから夕方まで 仕事場で靴を作っていました

しかし マルチンはやがて奥さんを亡くし
さらに 愛する息子まで失ってしまいました

真面目に働いてきたマルチンは
もはや生きる気力を失いかけていました

「俺はこんなに真面目に働いてきたのに
なんで こんな目に会わなくてはいけないんだ
もう なんのために生きているのかわからない・・・」

胸ふさぐ想いで日々を過ごしていたマルチンでしたが
ある晩 床についたとき 耳に聞こえてきた声がありました

「マルチン 私だ イエスだ 聞こえるか 
 明日 私はお前の前に姿をみせるから
 明日は外を見ておくように」

夢かと思いましたが、その声は確かに イエス様の声に思えました
マルチンは興奮して 翌朝は元気に早起きしました

いつもは仕事に没頭して 外を見ることのないマルチンでしたが
「イエスさまは ほんとうにお見えになるのだろうか」
そう思いながら ときどき外に目をむけていました

すると 通りの雪かきをしている男の人が目に止まりました
ずいぶん疲れているように見えました

マルチンは 男の人に声をかけます
「さあ 仕事はそのくらいにして
 こちらへきて温かいお茶でもどうです?」
「すまないな うーんおいしいお茶だ 元気がでるよ」
男の人は感謝して お茶を飲み終わるとまた仕事に戻っていきました

しばらくすると 赤ちゃんを抱いた女の人が通りかかりました
粗末な薄い服を着て とても寒そうです
マルチンは見かねて 声をかけました
「こちらへきて 少し温まりながら 
赤ちゃんにお乳をあげてください」
「ありがとうございます 
でも私はこの二日間何も食べてなくて お乳が出ないのです」

「それでは 私が作ったシチューはいかがかな
おいしいパンもチーズもあるから それも食べたらいい」

そういってマルチンは その女の人に食事を与え
自分の服を体にかけてやりました

女の人のほっぺたには赤みがさし 元気な表情になりました
「ありがとうございます お世話になりました ご親切は忘れません」
そういって 彼女は赤ちゃんをしっかり抱いて
マルチンの家を後にしました

「イエスさまは まだかな もうまもなく日が暮れるぞ」
しかし マルチンが待てど暮らせど イエス様の姿は現れません

もう日が暮れそうな頃 リンゴを籠に入れたおばあさんが
マルチンの家の前の通りを歩いていきました
そのあとを追うように 一人の男の子が駈けてきて
おばあさんの籠からリンゴをさっと盗ると 
いちもくさんに逃げて行きました

「ドロボー ドロボー 誰かその子を捕まえておくれ!」

マルチンは男の子を追いかけ どうやら捕まえると
かんかんに怒ったおばあさんのところに連れてきました

マルチンは言いました
「おばあさん この子を許してやってくれないか
もう二度としないって約束させるから
それに リンゴの代金は私が払うから」

男の子はそれを聞くと 
「おばあさん ごめんなさい もう二度とこんなことはしません」
と謝りました

おばあさんは しかたがないね という顔をしながらも
その子を許してやりました

とうとう 日が暮れました
イエスさまの姿を見ることができなかったマルチンは
「ああ やはり夕べの声は夢だったんだ」
がっかりしてそう思いました

食事を終えたマルチンは ゆっくりとベッドに横になりました
そして 今日のできごとを思い返していました

すると また同じ声が 彼の耳に聞こえてきました
「マルチン マルチン 約束通り今日 私はお前の前に姿を現したが
お前は気づかなかったのか?

お前が温かいお茶を上げた男は私だったんだよ
それから お前が温かい食事を用意し 温かい上着を着せたあの親子も 
最後にリンゴを盗った男の子とおばあさんも 実は私だったのだよ
マルチン 約束通り 私はお前の前に姿を見せたのだよ

マルチン お前が小さなものに手を差し伸べてしたのは
実は私にしてくれたのだ ありがとう マルチン」

その声を聴き終えたとき マルチンはすべてを理解しました

「イエスさまはちゃんと約束通りおいでになられたんだ
俺は今まで外に目など向けてはいなかった
外にどんな人がいようが気にも留めてなかった

靴を作ることだけしか考えていなかったよ おれは
だから ほんとはイエスさまが いつも側にいてくださることに
気づいてなかったんだ」

そう思うマルチンのほほには いつしか感謝の涙が流れているのでした

                 おしまい



☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆



昔 「小さな親切」を呼びかけた方がいました
やがてそれが「小さな親切運動」になりました
その時のスローガンが 「愛は負けても 親切は勝つ」
だったと記憶しています
含蓄のあるスローガンでした


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