「モモタも年取ったな」
ズーム法事に参加するため、久しぶりに家に帰った別居中の夫がしみじみと言った。
ネットでの法事は一時間ほどで終わり、飼い猫のあたまを撫でようとした夫は撫でる前に威嚇されて手を引っ込めた。
モモタと夫は相性が悪い。
モモタが家に来て12年、夫はたまにしか家に居ないのでモモタにとっては「たまに家に来るオッサン」という認識らしい。
お互い歩み寄る気はないらしいので、一生仲良くなりそうにない。
モモタにとっては同じ猫の茶々と私と息子だけが家族なのだ。
猫も人間ももっと年寄りになったらお互いを認め合うことも出来るようになるかもしれないが。
希望的観測だ。
私も夫が何時間も家にいるとストレスMAXになる。
モモタの気持ちが解る。
縁あって結婚したのだから、もう少し解りあえてもいいと思いはするが、所詮は夫とは他人である。
解り合えなくて当たり前なのだ。
今は一人の時間を大切にしたい。
仕事がなくなれば嫌でも共に過ごす時間が増えるだろうから。
その時ストレスに耐えられるか心配ではある。
世の夫たちよ。
家庭に居場所はありますか?