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ゾニサミドの作用機序

 ゾニサミドの抗パーキンソン薬としての作用機序としては、チロシン水酸化酵素mRNA増加を介したドパミン合成亢進作用と軽度のモノアミン酸化酵素阻害作用があります。また、ゾニサミドはドパミン系を介さない抗振戦作用を持ちますが、これは、T型カルシウムチャンネル遮断作用が関与していると思われます。ゾニサミドは多彩な作用を持つ薬剤ですが、最近、かなり強力な神経保護作用をもつことも明らかになってきました。私たちの研究班での検討では、さまざまなタイプのパーキンソンモデル動物にゾニサミドを投与することで、黒質ドパミン細胞の脱落を保護する結果を得ています。その作用機序として、ゾニサミドが強力なキノン体消去作用を持つことが挙げられます。このキノン体はパーキンソン病の細胞障害の原因の一つと考えられているものです。これまでにゾニサミドはグリアを介して脳内のグルタチオンを強力に増加させ、その結果、キノン体を速やかに消去することがわかってきました。また、一方で、ゾニサミドはミトコンドリア内のフリーラジカルスカベンジャーとして作用するMnSODの転写を強く誘導することがわかり、ゾニサミドがミトコンドリア機能にも保護的に作用する可能性がでてきました。

ゾニサミドの薬価収載

 ゾニサミドはパーキンソン症状自体を改善する抗パーキンソン作用のみならず、神経保護作用についても大変期待されています。
 しかし大変残念なことに、1錠25mg 1085円という予想外に高い薬価がついてしまいました。パーキンソン病治療の中でL-dopaと並んで重要なドパミン受容体刺激薬の薬価が高いことが国際的にも問題になっていますが、日本では諸外国に比べても高く、これは大きな問題だと思っていました。効果が高く、値段の安い薬がほしいと思っていたところで、このゾニサミドに出会い、効果が高く、半減期が長く、しかも薬価が安いということがとても大きな魅力でした。今回、新しい作用機序の抗パーキンソン病薬ということで、既存の薬ということが全く加味されずに高い薬価が設定され、同じゾニサミドという薬が抗てんかん薬としては100mg1錠40円、散薬では25mg相当で10円であり、一方でパーキンソン病患者には1錠25mgが1000円を超えて提供されるという事実は、医療経済上も、庶民感覚からもなんとも割り切れない思いです。
 それでも、ゾニサミドのパーキンソン病に対する効果は明らかと考えられますので、今後はとくにWearing-off現象や、治療抵抗性の振戦に対し、50-100mgの有効性を明らかにすること、また、神経保護効果について臨床的な評価をすることなどを進めていきたいと思います。



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