今年はセルゲイ・ラフマニノフ生誕150周年。

ピアニストとして、作曲家として、指揮者として…約100年前の波乱の時代を生きた亡命ロシア人音楽家としては珍しく運が良く(もちろん実際にそれだけの才能・実力があったわけですが)、存命中から各方面で大成功を収めていました。

交響曲も歌曲も室内楽も全部素晴らしいのですが、ザ⭐️ラフマニノフ(一番人気)な曲は、やはりなんと言ってもピアノ協奏曲でしょう。

フィギュアスケートの演技曲としてもよく使われることから、普段クラシックは聴かない知らないという方でも、これだけは聞いたことがあるかもしれません。

特に多くの日本人にとって忘れられない「ラフマ」は、2014年のソチオリンピックでの浅田真央さんの演技ですね。

 

ラフマニノフのピアノ協奏曲といえば、メジャーなのは2番(真央ちゃんの曲)と3番、それから「パガニーニの主題による狂詩曲」で、残る1番と4番はあまり聴ける機会がありません。

特に4番は、ロシア人ピアニストか、ロシア音楽に造詣が深いピアニストに演奏依頼がたまにあるくらいではないでしょうか。

というか、ロシア国内でもそんなに演奏されてこなかったと思います。

当然、ロシア国外のコンクールのファイナル(オーケストラとの共演)では当たり前のように除外されていて、そもそも選べないことが多かった。

ところが、来年開催のコンクールでは4番が選択肢に含まれているところがちらほらあるんですね。

中には、ラフマニノフの2番3番は選べないのに4番は選べるところも。

作曲家のメモリアルイヤーというのは、その作品を隅々まで見直し、これまで光が当たらなかった部分を見つめ、再評価し直すきっかけになるんだということを実感します。

 

私が好きなプレトニョフを貼ります。

 

ちなみに、ラフマニノフの4番はメトネルに献呈されていて、メトネルは同時期に自分の2番(ピアノ協奏曲)をラフマニノフに献呈しています。

両氏が交わした書簡集から、この2作品の成立過程も少し垣間見えました。

メトネルのピアノ協奏曲2番の紹介もしたいので、これについては今度いくつかの記事に分けて書いてみます。