心理学者ユングの理論。


人の心は3層からなる、と。

心の表面に表れている意識、

その下に個人の経験や思い出が

積み重なった個人的無意識、

さらにその下に

生まれたときから備わっている

人類共通の心の要素である

普遍的無意識。


ユングはある患者の妄想(?)により

普遍的無意識を発見する。

患者の話と患者自身は全く知らない

古代宗教の文献に書かれている内容が

一致しているという出来事があった。


ここから人の心の奥には

古代人と現代人に共通の何かがある、と。

実際、世界各地の神話や昔話には

共通点が多い。

人類には共通の記憶がある、

それらとつながることで

人の心を理解しよう、

治療に役立てよう、

と考えたのである。


『シーター』逆位置



シーターは、

献身と忠誠の女神。

古代インドの叙事詩『ラーマーヤナ』に

登場するラーマ王子の妃。


シーターはラークシャサ族の王に

誘拐される。

ラーマはシーターを救出するために

ラークシャサ王に戦いを挑み勝利する。

シーターは無事救出されるも

貞操を疑われる。


彼女は身の潔白を証明するため、

火をおこし、そこに自ら身を投じる。

嘘をついていれば

火に焼かれて死ぬ神明裁判だが、

彼女は潔白なので

業火の中でも傷ひとつ付かなかった。


やがて火の神アグニが

彼女を抱き上げ、

その身の潔白は

神のお墨付きで証明された。


逆位置では

献身的に尽くしたが、

感謝されるどころか

真意を疑われ、非難され、

不当な扱いを受けたという意味。


非難してくる相手の考え方を変えるより、

自分の判断を変えよ、

というメッセージ。


神話の中には

人類が経験することが多いパターンと、

それらと向き合うヒントが

隠されている。



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