小川糸さんの「とわの庭」新潮社 | 生きている間にやりたいことをやろう!コーチたき坊のブログ

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「好きなこと、ワクワクすることを生きている間に一つずつやる」をモットーに同じような思いを持つ方を支援するコーチ。2022年ワタナベ薫さん主催のMCCコーチ養成スクール第1期修了。好きなこと、ワクワクすることをやりたい方の背中を押します。

2023.10.8おはよう御座います😃
2年前の今日のフェイスブック📚読書記録から転載します🐰
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2021.10.8お疲れ様です♪先日から読み始めた小川糸さんの「とわの庭」新潮社1500円+税を読み終えました📚2021年読書記録106冊目。以下本書から一部引用します。〜〜〜〜〜〜
家に帰ってスニーカーを脱ぎ、浴衣も着替えてから、私達は最初はとても静かに体を寄せた。私とリヒトは、ただただ相手の体を抱きしめあった。「こうしているとね、なんだかリヒトの顔が見えそうになるよ」長い時間彫刻のように固まって抱きしめ合ってから、私は、リヒトの顔を丹念に両手で確かめた。顎、喉仏、耳たぶ、唇、瞼、頬骨、髪の毛。顔の探検が終わると、その捜索範囲を体全体へと拡張する。私は、リヒトの体の表面にほっぺたや手のひらを這わせ、「すべすべ」を探し出した。けれど、同じすべすべでも、母のすべすべとリヒトのすべすべでは、弾力みたいなものがまるで違う。「男の人の体と女の人の体って、やっぱり違うんだねぇ」まるで、大発見をしたコロンブスの気持ちになって私は言った。そんな私を、リヒトは褒めるように撫でてくれる。リヒトもまた、私の体の隅々を探検した。私は、自分の体の中心にそんな深い洞窟がある事を、自分でもあまり良く知らなかった。リヒトの指の動き次第で、私は自分の体が溶かされていくような気分になった。体を重ねさえすればお互いの距離が縮まって、やがて身も心も一つになれるとでも信じているかのように、私達は求め合った。何も知らない私達は、夏の間中、求愛と欲情を繰り返した。〜〜〜〜〜〜〜
以上引用終わり。
小川糸さんは、1973年生まれ。2008年「食堂かたつむり」でデビュー。多くの作品が、英語、韓国語、中国語、フランス語、スペイン語、イタリア語などに翻訳され、様々な国で出版されている「食堂かたつむり」は、2010年に映画化され、2011年にイタリアのバンカレッラ賞、2013年にフランスのウジェニーブラジエ賞を受賞。その他複数の作品がNHKでテレビドラマ化されたり、多数の著書があり、「本屋大賞」に複数作品がノミネートされています。
本書は、そんな小川糸さんが、書き下ろした作品で、目の見えない少女とわの生活を淡々と描きながら、小川糸さん独特な世界観で、とわが大人に成長していく様子を書かれています。目が見えない主人公が、色々な経験を重ねていく中で、目が見えないけれども世界が美しいと感じる事ができ、この世界には、まだまだ美しいものが沢山息を潜めていて、それを一つひとつ小さな手のひらにとって慈しみたい。と語る姿に癒されます。興味ある方は、是非お読み下さい📚🎄