モモママが誰もいなくなった実家に定期的に掃除や整理に行く。
そんな時に珍しいモノを発見する事がある。

今回も一泊してきて珍しいおみやげを持って帰ってきた。
知恵の輪三つと米の通帳だ。

知恵の輪は亡くなった義父の手作りだ…穏やかでとても器用な人だった…。

米の通帳は一般用米穀類購入通帳とある…。

かつてはこの通帳がなければ米を買えなかった。
戦中戦後の食料統制の時代の産物だ。

質の悪いB6版ワラ半紙的な紙4枚に印刷されているが大蔵省印刷局製造とある。

交付年月日は昭和42年12月1日になっている…1967年だ…戦後22年経っている。
ワタシが小学5年生…高度成長期真っ只中の時代だ。

そんな景気のいい時代に このように質の悪い紙を使っていたのは、役所の前例を踏襲して変えない体質か…。

細かい文字の注意書きは9項目あり、中にはこの通帳がないと米の配給は受けられないし、失くしても再発行できない…とある。

質の悪い紙のペラペラの通帳なのに無茶苦茶厳しいルール…。
大事に残っていたのも頷ける…。

調べると廃止されたのは昭和57年…1982年だ。

ワタシは1976年から東京で一人暮らしをしていた。
だがこんな通帳を全く知らなかったし持ってもいなかったが、なくても米は自由に買えた。

調べると1960年代には有名無実化した通帳だったらしい。…道理で知らないはずだ。

この通帳も実際に使った形跡はない…。

……

主食の米が統制化の時代から米余りの時代へと日本は変わった。

現在、我が家の朝食はほとんど手作りパンだ。

米は糖質ダイエットの筆頭に挙げられる悪者になってしまった。

しかし日本の米は美味い…上手に一生つきあいたいとしみじみ思うのである。