私は、元々子供が好きではありませんでした。
犬や猫など、どうぶつの赤ちゃんは
『かわいい〜』と、思うのですが
どうしても、人間の赤ちゃんや子供についてはそう思えませんでした。
結婚において、子供は大切な事だと思ったので
私は結婚前に、その気持ちを妻に話しました。
そうしたら、妻も私と同じく子供好きではなく、出来なかったらそれで良いとの考えの人でした。
そんな2人だったので、結婚当初から
「2人で仲良く暮らしていこう」と、意見が一致していました。
そんな2人でしたが、子供を作る転機が訪れました。
一緒に暮らし始めた時(入籍前)に、
卵巣嚢胞と子宮筋腫が分かりました。
卵巣嚢胞はかなり大きくなっており、手術が必要との話から、1つ摘出することになりました。
子宮筋腫については、経過観察になりました。
結婚してしばらくした後、脱腸になり、そちらも手術をして治療しました。
また、お義父さんの腎臓が悪く、妻も遺伝により、多発性嚢胞と知りました。
根本的な治療法が無いので、これも様子見です。
妻は病気ばかりしていたのを気にしてか
「手術や病気ばかりでゴメンね」と、私に謝ってきましたが、妻のせいではありません。
そんな妻に対して、「この先、私だって病気になるかもしれないし、そんなの気にしてないよ。」と答えました。
そして、結婚して1年が経とうとしたある日。
子宮筋腫の定期検診から帰ってきた妻は、私に結果を報告してきました。
「子宮に血の塊が出来てて、それが生理のたびに大きくなってきてるみたい。そのままだと、どんどん大きくなるみたいなの。」
「そうなんだ。それじゃ、早く治療しないとね。」
「そうなんだけど。治療と言っても手術をして取ったりは出来ないんだって。だから、これ以上大きくならないように、毎月の生理を止める必要があるみたいで・・・」
「それって、ずっーと止める必要があるの?」
「うん。だから、子供を作るなら、早めにした方がいいって言われた。生理を止める薬は出来るだけ早く飲み始めた方がいいみたいで。」
「そっかぁ。それって、具体的にいつから飲まないといけないの?今って11月だけど。」
「先生は、年明けから飲み始める方がいいって」
「ええぇ〜、かなり急やな(汗)」
「そうなんだよ。それで、検査のついでに診てもらったんだけど、丁度今、排卵してるみたい。」
「そっかぁ。それじゃ、今月と来月に頑張ってみる?
出来たら出来たでいいし、出来なかったら、元々2人で暮らそうって話だから、それでいいよね?」
「うん。そうしよう。」
元々は、子供なしの結婚生活を送る予定でした。
だけど不思議なもので、
「この先絶対に子供は作れません。
今しかチャンスはありません。」
こう言われると、本能なのか?
子供のいる生活も楽しいかも?
そんな気持ちになってきました。
そしてなによりも大きかったこと。
それは、妻との1年間の結婚生活を通じて
「この人となら、一緒に子育て出来そう。
この人の間に子供がいたら楽しいかも。
そんな家庭もいいかも」
私自身が、自然とそう思えたことです。
そして、妻も同じ気持ちだったと思います。
気が付けばいつの間にか
2人の間に確かな信頼関係
「夫婦の絆」が構築されていました。
そして
『私の想い』と『妻の想い』
2人の想いが重なりました。
その日と翌日、2日連続チャレンジを経た(笑)
12月のある日。
夕飯後、2人で団欒していると、妻が言いました。
「今日、診察に行ってきたんだけど。」
「そうなんだぁ。どうだったの?」
「妊娠してるって」
「ホンマかぁ!!良かったやん。
それにしても、凄いなぁ。
100発100中やん!!」
「ホントだね(笑)凄いね〜(笑)」
小さな、小さな命が誕生した瞬間でした。
本当に、心から子供を望んだタイミングで子供に恵まれた。
この命の誕生は、私たち夫婦にとっての
最大の幸せとなりました。
重なる想い〜小さな命〜